チベットの空気

久しぶりのMさん夕方にご来店。
この方がいらっしゃるととたんに
空気が、チベットになる。

それもそのはず古派の正統な伝承者。
日本人では彼のみではないだろうか。

いつも忙しそう。

久しぶりにラサに行ってきたといって
ドーンと写真帳を渡された。

なかなかなじみのないチベットのイメージ作りにと
M氏自ら、バザールを中心にそれこそ何十枚と撮り、
分厚い写真帳をわざわざ作ってきてくれたのだ。

行ったこともないはずなのに、その風景には懐かしさを感じる。

すっかり話しに弾みがかかり、
閉店時間を2時間もオーバーして興じてしまった。


おー。人のほねまで数珠にする。
高僧のもので、何代もかけてつくるのだそうだ。
ちっともおどろおどろしさはない。

開眼供養

久々に、お客様の代わりに仏像の開眼をしてもらいに
浅草寺に足を伸ばした。

門前にありながら、境内の掃除会に顔を出さなくなったら
とんと足が遠のいていた。

朝の勤行、特に冬場は、声明から始まり、般若心経が終るまで
なかなかの夢心地。きもちのよい時間なのだが、
せわしくしているせいか、本堂に入るのは、随分とご無沙汰のような気がする。

堂内は、いつもに増して、外人客で混んでいる。

昼間の時間帯は、さらに久しぶり。

本堂の受付で開眼をお願いし

内陣に入る。
三拝し、すごすごと末席に…といっても畳ゆえ、末畳につく。
本来、僕は開眼のご依頼は、おおかたお断りしている。

仏縁の立会いに、第三者がしゃしゃり出ることはしない。
今回は、ご依頼いただいたお客様が、病気で、身動きが取れないことを聞き
ならばと、お引き受けさせていただいた、例外なのだ。

例外だけれど、いい経験をさせていただいたと感謝している。

よく見ると、導師をしてくださっているお坊さんは
息子の保育園の同級生のおじいちゃん。
お寺のNO2なのだとか。

このことも報告してあげなくちゃとばかりに
パチリ。

式のあとで、「内陣は撮っちゃダメ」と注意されたが

これも病気で来れないお客様に
「こんなだったですよ」と、お見せしたいがための
行為なのだから、観音様も許してくれるだろう。