長~~いおつきあい

昨日は、長ーーいお付き合いをしたいなあと
打算を含めた願望を書いたが
今日は、今までの長ーーーいお付き合いしてくださっている
お客様のこと。

いまでこそ個人情報保護法で一から万事であるけれど
昔はのんびりしたものだった。

お店には、芳名録を置き
とにかくご来店くださったら
買ってくださった、下さらないは
まったく頭になく、ご記帳いただいた。

また、お客様のほうから、「あら書いちゃおうかなあ」
なんて、足跡を残したがる方も多かった。

「○○市○○町○番地 電話番号 血液型 星座・・・」
コメント「またきま~~す」

なんて、信じられないほどの、おうようさである。
のんびりした時代だった。

そこにまた、次のお客様がコメントを書いていく。
なんてことも往々にしてあった。

まさしく紙媒体の掲示板状態である。
これこそお客様の生の声である。

その声に聞き従ってきたら、今の店になっていた。

だから、お客様の声は、聞き逃せない。
うちの継続の鍵なのだ。

芳名録に、いたずら書きをしていった、
やんちゃな子供たちが、
今度は我が子を連れて、ご来店されるようになったのだから、

どうりで、白髪が増えたと思った。

長ーーーいおつきあい

仏壇を置かない仏壇屋のためか、
一見、何屋かわからないのだろう。

とにかく、いろんな世代のお客さまが、いらしてくださる。
洋の東西も問わない。

商品を自分から勧めたことは、一度もない。
だから、こだわることもなく自由に話ができる。
お話させていただいていて、
各世代、それぞれにおもしろい。

今日は、見るからに普通の小6の男の子。

しかし、とにかくよく知っている
侮れない。

はじめに目に付いたのが、
頭は像で、体は人の仏像二体が抱擁している姿の聖天さま。
次々に仏像を指差しながら、感動にむせている。

あ!歓喜天(聖天)だ。
あ!吉祥天だ。
あ!五大明王だ。
あ!四天王だ。
あ!文殊菩薩だ。
あ!あ!あ!・・・
感動の山を築いた。

一応見て回ると、
今度は、質問の嵐。

聞くわ、聞くわ・・・
機関銃のようだ。
いつ弾を仕込んでいるんじゃい。

お釈迦様はいつの人ですか?
本当に生きていたんですか?
何で痩せてるんですか?
厨子に入れないといけないんですか?
厨子はどんなのがいいんですか?
1000円で買えますか?
???・・・・

最後は、お母さんに阻まれて
ドクターストップと相成った。
そう、僕がダウン寸前だったから。

ブレーキを掛けてくれなかったら
明日の朝まで質問が続いたことだろう。

将来はお坊さんになるのが夢なんだって。

またおいで。
お坊さんになって蜜月関係で
タック組もうね。

地震がきたらどうするの?何処に逃げたらいいんだい

今日は防災の日。
ラジオでは、とにかく繰り返し訓練の放送を流している。
いやでも、阪神の記憶が
横網町の震災記念館が思い起こされる。
自動車で、半日都内を移動していたが、
おかげで少なからず緊張感を与えてくれた。

もし・・・
ここで・・・
と考え考えハンドルを握っていたし、
目に飛び込む風景も、「どうなるかな」
などと、勝手にシュミレーションしてみたりしていた。

まず、助からない。
十中八九つぶれちゃう。ハリネズミになっちゃう。
そんな建物の脇を走り、
最後に、図書館に目的の本を探しに寄った。

改めて見上げると、背筋が凍った。
開放感に満ちた、
サナトリウムのような、総ガラス張りのつくり。

見た目には、実に美しいつくりに見える。
けれど・・・
もし・・・

大震災となったとき、
「公共施設」であるはずのこの建物は、
どうなっているのだろう。

バラバラと子供を含めた利用者の頭上に、
砕けたガラスが降り注ぐことは、ないのだろうか。

「防災都市」を標榜するべく訓練をする傍らで、
今なお、デザイン優先のビル群が乱立している事実は
どう解釈したらいいのだろう。