たからもの

捨てられない。

上の子供は大学にいこうとする年齢に達した。
一番下っぱで小学校6年生。

保育園時代から通算すれば15年たつ計算になる。

その15年の間、せっせと
工作や習字、プレゼントとあらゆるシーンで
熱心に作品を創作してきた子供たち。

その作品の量たるや、×四人分となる訳で…
まさしく膨大な量になる。

3LDKの我が家には、どこも保管場所がない。

がぜん、上さんは、虎視眈々と、
廃棄の魔の手を伸ばそうとする。

ちょっと油断すると、何かが廃棄されている。

ぼくは、ゴミ箱をあさり、またもとの場にもどしておく。

まあ、冷静に考えれば、上さんの気持ちも、
しかたないといえば…

しかたないのだ。

しかし!

どうしても父親としては、
どれ一つとっても捨てられない。

それこそ、うず高く積まれて、いつか埃まみれになっていく。
たまに、表層なだれを起こし、
こうしてキーボードを叩いている
僕の頭の上にドサッと落ちてくる。

これは、お気に入りの一枚なのだ。


次男である彼は、りんごを見て感動したのだろう…
が、
親は、同情されているような錯覚を勝手に覚え
励まされるのだ。

捨てられますか?

子供の作品。