観音霊場軸の表装

百観音の霊場巡拝を無事満願ということで
表装にいらして下さった。

すでに10巡り目とのこと。
いやはや、徳を分けていただくことになった。

緞子(ドンス)の仕立に決定。
いつもなら、金襴の仏表装だけれど
すでに過去に何回も表装していて
飽きちゃったということ。

金糸を使うばかりが表装ではないものね。
ぐっとシックに出来上がるでしょう。
心して取り掛からねば。

こうしてお手伝いできることは嬉しいのだけど、
自分の足で巡礼に行けるのは、いったいいつのことやら・・・

讃祷歌

讃祈歌。

といっても知る人は、
よほど仏教歌に関心のある方くらいだろうか。

すでに、故人となられてしまったが、
真言宗智山派智韻寺住職の新堀智朝尼が
世に問うた仏教歌(その範疇にはおさまらないが)である。

新堀師とは、奇遇としか言いようのない出逢いから
ご縁をいただいて長いお付き合いをさせていただいた。

智韻寺がまだ寺として格付けされる前、
つまり代々木教会(真言宗)としてあった時代からの
細に渡って、支えてくださった恩師である。

今の浅草の店の開店した際に、祝福して
詠唱団の数名を引き連れて来られて、
讃祈歌を玄関口で詠唱してくださった。

ふっと旋律が口をついて出てくる。

 いとけなき子らに
 
 よみじを照らしつつ
 
 みてには乳(にゅう)び
 
 たれさせたもう
  
 南無観世音・・・・・
 
  オンアロリキャソワカ

 今日は父
 
 明日は母よと
 
 呼ぶ子らに慈悲の雨ふる
 
 晴れをまたなん
   ・・・・・・