いつか見た風景2

町を歩くとなにげなく通り過ぎてしまうけれど、立ち止まってよく見るといつか見たよね。こんな景色。

錫杖

錫杖の取り付けの写真


最近の巡礼ブームの影響もあって
錫杖本体そして取り付けるための杖の特注も増えてきた。

問屋に任せていた杖への取り付けを自分で行うようになってから
いろいろなものが見えてきた。

他の仏具にも見ることができるのだが
江戸時代末期から明治初期の目が覚めるような
洗練された仏具の美しさは、
今の時代は残念ながらなかなか希少になってしまった。

錫杖の取り付け一つにも繊細な神経が必要だ。

緩みの原因になる木の痩せはしかたないことだが
取り付け時の杖先形状の削りすぎを注意しながら取り付けないといけない。
過去のものをはずしてみると、外注して取り付けられたものに、
納得のいく取り付け方、削り方は見つからなかった。

小さなことなのだが、使う側はそれこそ長い期間付き合うわけで
僕らの仕事もそれにあわせて走り続けないといけない。
マラソン補佐の立場なのだと思った。