お香類の値上げ

高級線香やお香がこの秋に値上がりされます。

一番の理由は白檀、沈香、伽羅などの香木の原料不足。
中国や中東などの今までさほど消費していなかった地域が経済発展の影響で、大消費国へと転換して、香木の消費地図が大きく塗り変わってきていること。

そうした事情は特殊な産業だけに一般の方々の耳には届きにくい。
でもいよいよの感がある。

日経にも載るほどに切羽詰ってきたようだ・・・

http://www.nikkei.com/article/DGXNASDJ0801I_Y3A800C1000000/
(日経電子版)

白檀の小売単価は1キロ12万円前後と2001年の10倍以上に値上がりした。沈香の一種である最高級品の伽羅(きゃら)は1グラムで3万~7万円。純金の取引相場の7~15倍の価格で「今ではほとんど手に入らない」

となっていて、材料メーカーの胸の内を吐露しているのです。

最近は金が高騰しているといいますが伽羅の比ではないでしょう。

そんな「伽羅」を惜しげも無く線香材料に使用するわけです。
伽羅と製品に謳うからには、伽羅が少量でも混ざってなければならないわけで、とてもひと箱千円そこそこで販売できるはずはないのです。

白檀や沈香の薬効ってあまり口にしないのですが、漢方薬として名を連ねている以上、昔からそれぞれの薬効は漢方医は知っています。ちょっと詳しい方ならば、天然線香に使う材料を調べれば、ほとんどが薬種として上げられる材料ばかりであることが理解できると思います。それほどに貴重な材料だということなのです。

江戸時代以前からの薬種問屋を看板に掲げてきた店が線香屋に衣替えしたこともうなずけるというものです。

その薬種類も手に入りづらくりつつあるという情報もあります。

それほどまでの貴重なお線香。
貴重だからこそ神仏に、そしてご先祖に捧げるものとしてふさわしいのではないのかなぁと思うのはTONだけではないでしょう。