ネックレスの修理

おかげさまで、念珠直しは引きも切らず、看板も出していないというのに、どちらからか情報を得て、わざわざ店を探されてご来店いただくお客さまがいらしゃいます。

で、おもむろに取り出されるのが、ネックレス。

ということもしばしば遭遇する。

わざわざいらしていただきながら、「できません」では話にならない。

できないという言葉は技術を売るものには禁句の何者でもないのだ。

今はなんでもない作業だが、インターネットのない時代よりはるかに昔は、直し方もそのパーツそのものも、どこに行ったらよいかわからない時代があったのも事実なのだ。

念珠業界ではない宝飾業界の職人のところに聞きに行き、渋る職人に教えを請い、盗み覚えてきては(もちろん手に手を取って教えてくれはしないからね)一つ一つ思い出し(ビデオもない時代だもの)試しながら完成させていった。

本当に面白い時代だった。

ネックレスの修理もテグスやワイヤーを使う方法と真珠をつなぐ糸の通し方は全く違うし、そればかり制作している職人には石を拾うスピードではとてもかなわないが、その道の中では気づきにくいウィークポイントが見えてくるもので、むしろ丁寧に作れる自信を持てるところまでは行っているつもりだ。

ということでしばらくぶりにネックレスの修理をさせてもらった。