馬頭観音

震災有り、空襲あり、帝都東京はとにかく歴史的建造物がことごとく灰塵に帰した町だ。

それだけに町中を歩いていてふと出会う過去の記憶の断片には感慨のものがある。

小島町に用事で出かけ、帰る足がふと止まった。
お堂の形を持つちょっとした祈りの場が、地価の高いこの地にどんと構えている。

しかも車一台止められるであろうスペースを割いて。

古老と話すと高度経済成長期以前ですら街の様相は現在と随分違うように聞いている。浅草寺裏にはまだ田園が広がっていたとも聞く。

まだ、農耕が牛馬の力を借りて行っていた頃の時代、このあたりはどうであったのだろうか。
なんだか楽しくなってくる。

それほど古いものではないように推察するが、馬頭観音を主にいくつもの石像(花崗岩を荒彫り)が群れている。

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