携帯位牌

供養の新しい形と言えるかもしれない。

白檀の香合仏?

と思うのだが、蓋を開けてみると・・・

ご戒名が彫られている。

最近とみに増えているのは、一人っ子の女の子をお嫁にいただいて(古い言い方かも)ご実家は先祖を見る人がいなくなってしまった場合、実家の供養はどうしたらよいの?と言う質問だ。代々の先祖とまではいかなくても、せめてご両親のことを心配されるうえからの質問がとても多くなった。

家の制度を廃止してしまった戦後の民法のしわよせは、こんな形で顕れてきている。
それに供養する側の心情や寺側の体制は追いついているかと言えば、そう簡単に割り切れるものではないことは、胸に手を当てて考えてみれば誰にでもわかることだ。

この仕事を始めた頃にはこんな質問をされた場合、お客様には申し訳ないことだが、同じ仏壇に両家を祀ることはノーグッドと答えるしかなかった。

中には、お客様のほうから、お仏壇を同じものを二基求められて、夫側、妻側という祀り方をされたお客様もあったほどで、小さなお仏壇やお厨子を求められて別に祀ることは珍しいことではなかった。

僕の仏壇屋の友人の一人は、寺と相談して今の在家の実情を相談し、両家を祀ることを可能にせしめた。その延長で「両家を祀るためのお仏壇」というものを制作し販売したほどで、実際よく売れたようだった。

嫁いだあと(男女にいえるだろうが)の実家の先の先の問題。
在家の心はそんなことの答えに迷い、渇望しているのであって、お守りする宗教側はどう答えるのだろうか。

この携帯位牌もそんな意味では、今の時代必要なものなのだと言えるのではないだろうか。

お迎え提灯

弓張りの形も清楚でいいものです。

自分の家の家紋をお入れして、「こっちですよ」と、ご先祖をお迎えするんですよね。

納品

今日の日曜日は仏壇の納品。

人手が足りなくて、TONのみで車を駆ってお邪魔させていただいた。

閑静な住宅街に二度目の訪問になった。

途中、小雨がぱらつくあいにくの天気模様だったが、TONのジンクスは今日も当たった。

そう・・・

仏壇の納品で雨の降ったためしはない。

雨男を自負する僕としては、旅行に行ったり、企画ものをする時に、雨の降らないときはない9割以上の確率を誇る雨男。

けど、仏壇の納品には台風の中納品しても、納品先に着くころは一旦小休止する。
運び込み終わるとまた、ザーと降ってくる。
ご先祖のお住まいを新築するのに、雨にはさせないのだろうとぼくなりに解釈してる。

方向音痴の僕は、帰り道、あいかわらず迷いながら走る。
時間はかかるが、面白い出会いも多いのだ。


なんてね。

(東武の機関車が公園にあるのかは不明だが・・・)

なかなかないのです

あるようでいてなかなかないのが・・・・
「お線香」を横にして焚ける香炉。

今日は、挨拶にいらしてくれたお線香メーカーの社長に、「こういう環境創りもお線香メーカーのお仕事ではないですか」などと暗に香炉を作ってよと口をついて出るほど、よいのがないのです。
高額になれば、そこそこのものはありますが・・・・

TONの願いは、安価でいてもっと使いやすく安全なもの。

うちの上さんも血眼になって探していました。

で、ようやく見つけたのがこれ。


通常は奥の青磁色のものが一般的です。
こんな感じで、雰囲気も何もないのです(TONにはね)。

灰を敷いての使用状態はこんな感じになります。
えーと、線香の飛び出しや残灰のことを考えて、7分目位に灰を敷いてっと・・・

三つ足ですので、横広の躯体にもかかわらず軽快さを感じます。

これで1000~1500円くらいに落ち着けると思うのです。

これは何でしょう?

はて?


縦43mm、径43mm

はて?なんでしょう・・・・か?

真横からみると・・・

上から見ると・・・

さあなんでしょうか。

お答えは・・・

これでした。

何だこれ?って・・・

塩盛りの型(もっそう)でした。

風水や鬼門避けやお店の入り口に塩を盛る方は近年多くなりました。
が、なかなかきれいに盛りにくいのです。

で、できました。

おもしろいですね。

ついでにこういうのもありますのでご紹介。

四分一独鈷 他

チョット珍しい四分一(銅と銀の配分を言います)の法具。

もちろん手造りであります。

独鈷杵

スベ五鈷杵

ついでに普通のスベ五鈷杵はこんな感じです。

赤銅の法具も作れます。

仏具二題

ちょっと毛色の変わった仏具セットが手に入った。

何れも6具足で、香炉、火立、花立、仏飯器、茶湯器、そして線香立の6種類。

ひとつは、有田焼の三衛門として昔から名をはせた内のひとつ源衛門窯による作。
火立、香炉が3.8号(3.8は寸の意味:約11.5cm)となる。


源衛門窯特有の色調。

いまひとつは、こちらも九谷焼の代表柄、銀彩をモチーフにした、宇野千代の薄墨桜。

宇野千代と言えば桜を連想するが、さらに銀彩のイメージが加わって絵の奥行きさと上品な風合いが、高級感を醸し出している。


上置き仏壇や家具調のホワイト系の仏壇に似合いそう。

仏具と言うと、仏壇のサービス品のように扱われる代物と最近の傾向なのだが、高級仏具わ中心にして仏壇を決めるというのも、これからの選択肢に杯ってもよいのではないかと思う(仏像を中心にというのは当家では極自然に行なわれてきたが)

超ミニご宝前

K先生の依頼で写真の取り直しということと相成った。
(以前撮った写真では僧としての名折れじゃ・・・とは言われませんが)

旅壇具という括りにもならない、超ミニサイズの面々なれど、じつに精密にできている。

観音様の大きさがこのサイズ、

つまり一寸八分(浅草寺の観音様と同サイズ)ゆえに他の法具の大きさも知れようというもの。

なんでもやります

今日は錫杖造り・・・といっても取り付けですが。

でもこれって以外に手間がかかるのです。
そして見えなくなる部分だけに、粗雑な仕事が多いのも事実。

錫杖部分の取替えを請けて、本体を柄から引き抜いたとき、納得の行く仕事だったのを見たことは一度もないのですから。

大体が荒削りで細く削りすぎ。
細くなってしまっているものだから、本体と柄の間に間隙ができて、これがゆるみの原因を作っていることが多いのです。

始めはこれだけ本体と取り付ける柄には太さの違いがあります。

これを削っていって、錫杖本体に合う大きさにしていくわけです。

これだけ細くなりました。

目釘を差して

出っ張った釘を切り落として

はい。終了。