写仏と写経

仏画と写経をひとつにして表装をする。

色は入れないが、仕上がるとなかなかのものである。
多少絵心はなくとも、心がこもる一筆は沁みるものがある。

忘却

今日は急用で何人か休んだ為に、
精鋭での店番だった。

フラフラと出かけることもなくまじめに店に張り付いていた。

おかげで、いくつもの出逢いをさせてもらえた。

昼過ぎに来店された仲の良い母娘のお客様。
小一時間店内でゆっくりされていた。

年頃のお嬢さんと友人のように何でも相談しながら買い物を楽しんでいらっしゃる。
(よほど仲がいいんだ)そう思いながら、話の輪に入った。

北海道北見の方だった。
和気藹々に話しておられたと思っていたお嬢さんは、
一年前の北見のガス事故で一酸化炭素中毒の後遺症に苦しんでいる一人だった。
生きていたのが不思議なくらいなのだという。

外見からは全くわからない、年頃のお嬢さんなのに、
中枢神経がやられてしまって通常の受け答えができない。

「北見市の事故?」
伺っても、
初めは何のことか頭に浮ばなかった。

都市ガスの事故・・・」とさらに聞いて、
当時マスコミを賑わした。
ようやくはっきり思い出すことができた。

次から次に起こる事件事故に、去年1月の事故と言うのに・・・
もう忘れかけようとしている自分にあきれた。

しかし当事者は、こうして、
現在進行形で生き地獄を味合わなければならないのだ。

考えさせられた。