4年ぶりの写経会  ようやく再スタート。

まる三年中止せざるを得なかった写経会。
店の二階はとても使えない状態だったので会場を借りての再スタート。

久々の写経は写し紙でした。おまけに筆ペン(絶対普段はやらないんだけど)。早いのなんの。墨を磨らないでよいということはなんと早いことでしょうか。一時間で書き終えてしまった。

勘違いにも程がある・・・

奥で作業をしていると、

「かぃこう」を焚きたいので。

と店の子がお客様から質問されている・・・
TONは不思議に思った次第。

貝甲なんて香りの保香材に当たるもので単発で焚くなんて初めてのこと。

まぁ、「かぃこう」を貝甲香の「かいこう」と受け止めてしまったことの成せる技です。

つい作業の手を止めお客様の前にしゃしゃり出てきて。

「貝甲香を焚くなんて始めて知りました」なんて平然と答えちゃった。

あ~恥ずかしい。

お客様もいつもは粉砕されて粉の状態になったものしか見たことがないので、こう示されてもまずわかりません。の顔。

お客様が帰られてから、どんな香りを出すんだ?
興味津々のTON。

ならばとばかりに、砕いて実験したのですた。


砕いて・・・っと。

薬研はないから大きいので隅にくべて・・・と。

くさ~~~~~~(≧∇≦)
そりゃ臭いわな。貝だもん。

部屋中が生臭い香りに満ち満ちました・・・

おかしいな~~~~~~~???????

調べ直した。

貝甲(かいこう)じゃなくて藿香(かっこう)って言われたんじゃないか?
と膝をポン!

つまりパチュリのことでありますよ。

んなら・・・・わかるわ・・・・深く納得。

なぁぁぁんだぁ~~~~~。

さて・・・

この生臭さ、どうしたもんじゃろのぉぉぉぉ。

ネコの香皿

ようやく届きました。

ニャンコシリーズの香皿です。

時流に乗っているわけではないのですが、なぜか集まってきちゃうだけです。

猫好きだから仕方ないのかも・・・

日本っていいなぁ~

どこかで聞いたフレーズだが、この仕事をしていてよく思う。

6月に入ってすぐにお盆提灯を展示した。

もちろん販売目的であることには間違いないのだが。

一日が終わり、天井の照明を落とす。
ただ、お盆提灯のコーナーだけは火を落とさずしばらく見つめている。

昔の人が考えたのだろうが、廻り灯篭の光の中に記憶の走馬灯が巡り出すのがわかる。

蓮花の光に浄土に逝った母親を考える。

芙蓉の花に人の暖かさを感じる・・・・。

ぼーっとしているだけなのに、光の演出に自分の心が癒されていくのがわかる。

日本人でよかったなぁ~~~

影が薄いぞ・・・

今月第三日曜日は「父の日」ですね。

え!忘れてたって?

シオシオのパ~(死語)じゃないですか。

母の日は、どの業界もこぞって盛り上げているのに・・・
一家の大黒柱(これも死語?)のお父さんに感謝する父の日はなんと影の薄いことでしょうか。

ググってみるとなるほどと思わされます。
以下のとおりです。

1909年にアメリカ・ワシントン州スポケーンのソノラ・スマート・ドッド(Sonora Smart Dodd)が、男手1つで自分を育ててくれた父を讃えて、教会の牧師にお願いして父の誕生月である6月に礼拝をしてもらったことがきっかけと言われている。彼女が幼い頃南北戦争が勃発。父ウィリアムが召集され、彼女を含む子供6人は母親が育てることになるが、母親は過労が元でウィリアムの復員後まもなく亡くなった。以来男手1つで育てられたが、ウィリアムも子供達が皆成人した後、亡くなった。
最初の父の日の祝典は、その翌年の1910年6月19日にスポケーンで行われた。当時すでに母の日が始まっていたため、彼女は父の日もあるべきだと考え、「母の日のように父に感謝する日を」と牧師協会へ嘆願して始まった。
1916年、アメリカ合衆国第28代大統領ウッドロー・ウィルソンは、スポケーンを訪れて父の日の演説を行い、これにより父の日が認知されるようになる。
1966年、アメリカ合衆国第36代大統領リンドン・ジョンソンは、父の日を称賛する大統領告示を発し、6月の第3日曜日を父の日に定めた。1972年になり、アメリカでは正式に国の記念日に制定される。

母の日は1907年に制定された(アメリカではね)といいますから、3年遅れの制定となるわけです。

どうでしょう。父の日香っていうのは。

父の背にはお父さんの何が表れているのかな・・・

愛するペットのために。。。


ラベンダー精油配合のグリーンフローラルの香りです。


ゼラニウム精油を配合フローラル調の甘やさしい香りです。

ペット用と謳ってはいるのですが、煙も少なく、灰も少なく、香りも贅沢な調香を考えると普通に仏前用としてよいと思われます。

ゼラニウムなんていう香りもあまり見当たらない香りですしね。。。

香りのブレンドという考え方。


ブレンドという考え方。

お香(仏前線香でも)を使うとき皆さんはどうしていますか?

買ってきたお線香をそのまま火を点けて、メーカーが創った香りのまま使っていませんか。

TONは違います。

必ず、性格の異なる違う香りをブレンドします。

お料理だって、砂糖だけで甘味は出しませんよね。
ほんのわずかな塩を入れることで甘さが変化します。
塩だって、NaClだけの、つまり昔の専売公社が販売していた塩化ナトリウムより、伯方の塩だの沖縄のヌチマースだのと、ごくわずかながらのマンガンやカリウムやマグネシウムの不純物が混成一体となっている塩の方が美味しいと思うじゃあ~りませんか。

香りも同じです。メインの香りを引き立たせるために、様々な脇役が調合されています。
白檀のお香。といっても白檀材だけを粉にして線香状にしても芳醇な奥行きのある香りにはなかなかなりません。
そこにわずかの副食材が入ることで白檀の香りを浮き立たせてくれます。

香りはまさしくハーモニーなのです。

念珠堂では香りのテイストを30年前から行ってきました。

香りに不慣れなお客様には必ず上香(火を点けない状態での香り)を聞いていただくだけではなく線香に火をつけて、お鼻の近くに、そして遠くにと生活シーンを考えて聞いてもらってきました。だから全ての商品は箱から出してテイストできる状態にしています。

そんなテイストしたお線香、お香は・・・とくに伽羅や沈香なんてもったいなくて途中で消すことなくTONら店にいるものの香りの余録となりました。

そこに次のお客様が、今度はすみれの香り・・・ユリの香り・・・桜・・・白檀・・・と相次いでテイストしていけば、伽羅の香りは混じり合い何が何だかわからなくなっていくのです。
が、そこはプロというものです。ただでは転ばないよ。。。

香りがブレンドされるということに、はたと気づくのでありました。。。

僕の基本は天然香料のお線香やお香を必ずメインにしています。

白檀+フローラルもしくは沈香+白檀+フローラルというように性格の異なる香りをブレンドして自分の香りを見つけること。

香りの楽しみです。

香り作りを調香師だけの楽しみにしては・・・なんともったいないことでしょう。

くまもんのお香セット

やっと声が届きました・・・なのかな・・・

限定で6000セット制作してすでに九州で消化しそうな雰囲気だったので抑えました。

可愛く仕上がってました。

お香の材料

先日の講義でお伝えできなかった香材料の話し。
本当はここに関連したお話しがあったのですが・・・・残念。

今度はパワーポイントを使わないとだめだなぁ・・・・

つくづく思いました。
<基剤>
椨(タブ)  クスノキ科の常緑樹。南九州-四国、台湾、中国南部、インドシナ-インドネシア、インドに自生。無臭で、粘り。皮を使用。

   基剤+香料   お香も仏前線香も基本的には変わらないのだ。

<天然香料>
沈香  ジンチョウゲ科アキラリア属の常緑樹。直径1~4m、高さ30m位
(Aloes wood) 樹脂が集まって固化。
自然に倒れた朽ちた木の部分を取り出すものと、
人工的に傷つけ樹脂の集まるのを待って取り出す方法
海南島、インドシナ半島(ベトナム、カンボジア、ラオス、タイ、ミャンマー)
マレーシア、インドネシアに自生。香りがするまでに50年位かかる。
          
有名なのが正倉院「蘭奢待」(12kg、150cm)
          漢方薬として、鎮静効果。
      

伽羅  (奇南香)
ベトナムのダナン(激戦地)カンボジアの特定地域
    水の中に完全に沈む⇒沈水香

白檀  インドのマイソール州産
   (Sandalwood) サンタロールの含有量
    原産地はインドネシアのチモール島→インドに移植
    インドネシア-パプアニューギニア、トンガ、オーストラリア
    寄生木→周りの木に寄生して成長する。
    保香性が良い
    病気になった蛇が白檀の木に体を巻きついて治す。

スパイス(生薬)系
丁子  原産地はモルッカ諸島。 ザンジバル、南アフリカ に移植。
(Clove)フトモモ科常緑高木 丁子の木の花蕾(花のガク)を乾燥
         腹痛、吐き気、シャックリ止め。
         今治水に入っている。健胃剤、防腐剤、止痛薬。

肉桂(桂皮) 広東省、広西省、ベトナム産。
       クスノキ科の常緑高木の樹皮。 健胃、解熱、鎮痛薬。八つ橋。
     
大茴香 モクレン科の常緑樹の実
(Star anise) 香辛料として。胃の薬。

甘松  中国、インド産、オミナエシ科の根、茎。
香料⇒根 茎→胃薬、食欲増進。
単独では芳香とは言いがたい。ほかの香料と組み合わせると香りに厚みが増す。
         キリストの足を洗ったともいわれる。

漢方薬(中国南部に産する)
     山奈香 ショウガ科の植物の根。輪切りにする。 
         芳香と防虫効果。衣類の虫よけ。健胃剤、食欲増進

零陵香 サクラ草科モロコシ草を乾燥したもの。
         カレーのスパイスにも。

排草香 草木の根 清涼感がある。

唐木香 キク科植物の根
         
鬱金(ウコン)ショウガ科ウコン属多年生草木ウコンの根茎。
(Turmeric) 香料、染料、薬剤として。カレー粉の材料とも。

安息香 タイ、インドネシア
(Benzoin)エコノキ科 安息香樹の樹脂。甘い香りで呼吸器系に薬効。
     
龍脳  インドネシア原産(ボルネオ、スマトラ)
 龍脳木の内部に溜まる(上品)。 木片から蒸留して採る方法(普及品)。
 

藿香(かっこう)  
(Patchouli) 南アジア原産、シソ科の植物の葉。香りの基礎。
         甘い、重い、粉っぽさの甘み。保香性、持続性がよい。
        
ベチバー インド、ブラジル、インドネシア、ミャンマー、マレーシア、中国
         イネ科の植物の根。保香性よい。重甘い木の香り。沈香とよく合う。
         シャネル5番のベースノート。
蘇合香         
(Storax) 木の樹脂。甘い香り。気管支炎やしゃっくりの薬。

薫陸   インド、イラン産。クンロクコウ類の樹脂。土中に埋没した半化石状樹脂。
    
乳香   アラブ、エチオピア、インドの乳香樹の樹脂。
    
没薬   フウロソウ目カンラン科ミラルノキ属の木の樹脂。防腐剤。ミイラづくりに。

<動物性の香材>     他の香りの引き立て役。
  
麝香   四川省、雲南省、ネパール、チベット(トムキンムスクが最高)
(Musk)ジャコウジカの雄の香嚢(こうのう)から採る。雄が雌を呼び寄せる。
居場所のためのマーキング。雄鹿一頭から20gしかとれない。
強烈な香り、悪臭に近い。千分の一以上に薄めると濃艶な香りになる。
フランスの香水にも入る。強心剤。六神丸や宇津救命丸。野生動物保護で輸入に制限。生きて採取する方法も研究。
保香性がよい。12世紀のイスラム教寺院の壁に麝香を塗り込んだところ、今でも太陽に当たるとほんのりと香る。

龍涎香  抹香鯨の胃から採る香料。大変甘い香り。
(Ambergris)司馬遼太郎「香港はアヘンによって取られた」「龍涎香のありかを知りたくてマカオをポルトガルに譲った」信憑性は????だが。香りへの貪欲さを表すことば。
    
貝甲香  ザンジバル、フィリピン、南米巻貝のフタ。保香剤として。

霊猫香  エチオピア産 ジャコウ猫
  (Civet)
海狸香  ビーバー
(Castreum)
    
牛黄   牛の胆嚢や輪胆管内の結石。解熱、鎮静、強心作用。 

一角   イッカクの角。解熱、解毒作用

香油       ローズ、ラベンダー、ジャスミン など
         蒸留法
         短所:高価
                     lx:バラ 3t→1kg
                       花1400個→1g 
<合成香料>     
長所:安い。
短所:火をつけると香りに変化。天然香料はもともとが、火をつけてこその用い方。 

「仏前に使うのがお線香で安いもの。お香は部屋だきだから高級品」のイメージが巷にはあるようですが、これは全くの誤解ということがお解りいただけるでしょうか。

またこういう貴重な材料を使用して製作していることと、そして、質も香りも刻々変化する天然材料を使用していかに安定した香りに仕立てていくかは調香師たちの水面下での努力がいかばかりかということを知ってもらいたいものです。