味わいのある・・・

ずいぶん昔のハリの親玉だ。

ハリ・・・つまり玻璃・・・もともとは天然ガラスを指した言葉。

そのハリの親玉、ここにきて全く手に入らなくなった。
こう見えても、一つ一つ吹いて作る手工品。

何処にもある後継者の問題で、ついに終了してしまった。
ハリ仕立てなんて安い念珠の代名詞のように使われて久しいが、これが案外見逃されてきたことなのだ。

いまさらながらだが、じっくり観察していると、一つ一つ実に興味深いことがわかる。

とくにこんな古いハリになると穴の形状も躯体本体のガラスが流れているさま(流紋)も面白い。

「水晶仕立てにしようか?」と相談された時、今はランクを考えなければ,水晶なんていくらでも作れる時代。
この趣きさを惜しむ気持ちが先立って、そのままのパーツを用いてお使いになることをお勧めした。

案外見落としている美はこうしてあちこちにあるのかもしれないと改めて思わされた。