マラソンだ

明日は、もう東京マラソン。

自分もマラソンとまでは行かないけれど、毎朝6kmのジョギングを3年続けているうちに、いつか苦手だった長距離の醍醐味を知るようになって、子供の頃のトラウマから50にして抜け出した。

それなりにランナーズハイという、「どこまで走っても疲れない」「何処までも走ってみたい」という境地も味わうことができたし、マラソンには他者よりは、多少なりとも理解をもつ者と思っている。

それでもしかし、このコース設定にはいまだに不満を持っている。
何より、事故を心配している。

というのも、
TONの店の位置する場所は、雷門を頂点にした折り返しを含む、並木通りと江戸通りの三角形地帯になる。

我々は、魔のデルタ地帯ともいう。

要するに、交通規制が引かれる数時間、後片付けなどあって4、5時間、陸の孤島と化すのだ。

ここには20軒を越す商店がある。
そこに住む住人もいる。
じゃあ緊急事態が発生したらどうするか。
小さい消防車が一台デルタ内に駐留する。
でも救急車はない。

三角地帯の中にいる人は外に出られないのはもちろん、外の人間も中に入ることはできなくなる。
だってランナー達がぐるっと囲んで、有明ゴール地点目指して白熱した走りをしているのだから。

「いいじゃないのお祭りなのだから」
そう・・・・お祭りなんだから。係わり合いを好まない都民という人種が、このときはお祭りを中心に一つになれる・・・なろうって言えそうな大きな催事なのだから。

たぶん自分もその考えに不快感は覚えない一人だ。
お祭りなんだから。
お祭り好きはねそうなのよ。

しかし、少しうがって、冷静に見つめると、とんでもない危険さも内包していることに気づく。

これってある種の全体主義じゃない?

動くまでは、雨をやろうが鞭で叩こうがびくとも前に進まないのに、いっぺん動き出すと、舵取りができないほどに前に猛進していってしまう。

これでいいのだろうか・・・・・

大きな声では言えない話になるが、
この三角地帯から外の世界に出ることができなくなると以前に書いたことに矛盾するのだが・・・

「全く動けなくなる」

と言うのは言い過ぎで、車の通行はもちろん難しいが、実はちゃんと抜け道はある。
けれど、地元の者しか、知らない抜け道ルートだ。

そこまでちゃんと案内してくれるものだろうか。

第一回目のマラソンの後、苦情の声を大会関係者に伝えさんざん討論の末、渋々ながら一点の光明を灯せた。
地下鉄改札の場での規制線は張らないという約束だけは言質を得ることができた。

マラソン人気の中でこうした少数意見が省みられないことが、僕には日本人のいけいけ主義に不安を感じる一人なのだ。

さて明日はどうなっているかな。

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