今までに何度も目にしていた絵なのだけれど、今ひとつ手に入れるまでは行かなかった。御木幽石師の絵。
浅草の店の基本設計は画廊、もしくはブティックをベースにしての設計だった。
TON自身、妙に仏画や掛軸に関心が強かったこともあったけれど、新店舗を立ち上げるのに当時は同じ業種の世界では実用一点張りの内装の店が多く、理想とする店舗が皆無に近かった。そんなこともあって、よりイメージに近い雰囲気を醸し出す対象が、結局異業種の画廊の姿に、ということになってしまったのだった。
そんな縁なのか、不思議なもので浅草店を開くオープニング期間中、画廊機能を最大限に発揮したかたちとなった。
以前にも書いたけれど仏画を世に広めた功労者である作家「難波敦朗個展」が始まりなのだから、何とも不思議だ。
そんなわけで、絵と念珠堂とは切っても切れない間柄となって未だに続いている。
絵のない風景、室は考えられないし、一枚の絵によってもたらされる心の潤沢さは、お金に替えられない。
で、この絵が店内に飾られることになった。
「御木幽石」師の絵には温かみばかりでなく一歩踏み出させる何かが感じさせられる。