久々に

関東ではあまりお目にかからないと思うのですが、関西にお嫁にいかれる方が結納の品のひとつとして、またその前後に嫁ぎ先のお仏壇にお供えするため、つまりはご先祖様に「末永くよろしゅうお願いいたします」との心を供えるために慶祝用のお線香をお持ちします。

この仕事を始めた頃、本当にカルチャーショックを覚えました。

箱は朱色の漆箱。
かけ紙は紅白。
金銀の水引。

なにより嫁ぎ先のご先祖に挨拶する。

ということに、結婚は当事者同士の同意だけで済む現在の民法のもとに生まれた戦後っ子の僕らの世代には、なんと奥ゆかしいと思しもしたし、婚姻には家と家の結びつきなんだという考えが残っていることにどこか心地よい、ホッとした思いで受け止めたことを思い出します。

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