芸は身を助く

と言えるようなことではないのですが・・・

念珠の製作に必要な正絹紐が届くと束の状態から糸巻き、つまり「いとまきまき、いとまきまき♪」をしておく。

作業場所が広ければ駒に器械で巻いてしまうのだが、うちみたいに、店内ですぐに直さなければいけないとなると、40色を有に超える糸を置いておく場所がとれない。
だからこうして平たくしかも丁寧に巻いておかないと、いざお客様が「直して」と凝られた時に臨戦態勢で望めない。

ゆえに、きっちり巻く。
大変なように周りからは見られるのだが、何のこともない。

だって子供の頃は、母親の手伝いで毛糸を玉にする手伝いなんて日常茶飯事だったし、
弓道部だった学生時代は、矢を納めておく矢筒が買えない貧乏学生ゆえに何でも自作だった。糸まきまきして約1mの筒を作っていたのだから。

そんなことが糸を巻いていると、いつも思い出されておかしくなるのだ。

ご褒美

昨日はある旅行会社から依頼されてお香の講演に出かけた。

しばらくこういう機会から遠ざかっていたこともあるけども、準備不足と時間配分の不備で予定していたことの半分も伝えられなかった。
依頼者側はお客様へのケアーの一環で行なうくらいの気持ちで軽く考えていたのだろうが、依頼された側としては、僕の性格もあるけれど・・・・完璧を考える。

どう完璧かといえば、お香の魅力を堪能してもらいたいし、間違って伝わっている常識を書き換えてもらいたいという思いも強いのだった。
例えば、お線香とお香の違い。お線香は安いものでお香は高級なもの。臭いと香りの違い。など、できれば供養の話しもしたかったのだ。し、それなりの資料も準備してきたつもり。

教室では香は焚けないから始まって(これはすんでで解決したが)全てひっくるめて一時間半の持ち時間は退出準備時間も含めてだったこと。そのあとは次の講義が待っていてぐずぐずしていられない・・・など寝耳に水の話しで、慌てた慌てた。

何だか受講者に申し訳ないのと充分言いたいことが言えなかったことで久々に落ち込んだ。
やっぱり香りを勉強するのなら、自分で験せる環境でないと・・・

で、今、自分にご褒美。
新伽羅だけどね・・・・