ちょっとちょっとちょっと・・・・・・

浄土宗のお念珠のお直しを承る。
宗派念珠なので、日本国内での調整だろうと思い、浅草寺にお参りに行かれる間に簡単に直せると踏んだ。

いざ取り組んでみると・・・

ん?

ご存知とは思うけれど浄土宗の念珠は輪っかが二つつながっているようなスタイルを取る。
一方には40玉。一方には27玉+小さい間玉の構成になる。

普通ならば、女性用の片手に使用する中糸が十分余裕で通る。
いや通らなければいけないのだ。
が、通らない。それでもきつめながら通し終えた。
うちで使用する最細の糸が一本通っていた。

さて、27玉の方に取り掛かる。仕方ない一番細い糸を使用してみる。
あれ?
切ってみると、元々通っていた中糸が更に細い。

えーー左右で糸が違うの???

そうなんです。こんなことあるの。
間玉に使う5mm玉には1mm弱の穴しか開いていないことがわかった。
ネックレス用の玉。

う~~~ん。唸ってしまう。

日本人の職人にしてこんな創りをするか・・・
しかも有名デパートで買われたと聞く。

作業していてなんだか情けなくなる。
念珠の玉は、宝飾用の倍手がかかるのだ。何度も穴を開けなおす。時間がかかる。手が込んだぶんどうしても価格は高くなる。けれどそうしなければ永く使っていただくお客様の期待に応えられなくなる。だから見えない部分に手間がかかるのだ。