「氷壁」とい小説をご存知だろうか。
井上靖の長編小説で1956年2月24日から1957年8月22日まで「朝日新聞」に連載された。
映画化もされTONは親に連れられて見に行ったことを記憶する。
前穂高東壁の冬季初登頂の途中ナイロンザイルの切断事故によって山行の相棒を失うという筋書きなのだが、ナイロンザイルが切れるなんてありえないと論争を呼んだことだけは子供心に焼き付いている。子供のことでその後どうなったのか知りよしもなかった。
こんな時でもなければと思い調べてみることにした。
氷壁のモデルは実在した。
それは昭和30年に発生した。
1月2日、日本の代表的アルピニスト石岡繁雄氏の実弟・若山五朗氏が、鈴鹿市に本拠を置く岩稜会の三人のパ-ティで厳冬期のアルプス前穂高岳東壁を登攀中、数10センチ滑落。
麻ザイルより数倍強いとされて登山界に急速に普及しつつあったナイロンザイルの、予想だにせぬ切断によりそのまま堕死した。
石岡繁雄氏のHP
http://www.geocities.jp/shigeoishioka/トップページにナイロンザイルが切れる瞬間の映像があった。
製品安全センターの論文
http://www.nite.go.jp/data/000055707.pdf
いろいろ検証されている。
なるほど・・・熱剪断という現象がナイロン系など人工糸には生じるということを頭においておかなといけないことが理解できる。
念珠の通し糸には
数珠を繰る時の剪断値がどれほどのものか、在家の法力ではない。修行僧の貯めて貯めて貯め込んだ気を一気に解放するときの一瞬のひと摺である。そのとき1.5mmの中糸にどれほどの応力が集中するのだろうか。剪断値はどれほどのものだろうか。実験データのないことが残念である。
回峰行や修験などで使用していただく糸を物色してない頭を悩ませている。
ナイロンの強化糸もこの通り…となれば
で、ようやく見つけたのが、この糸というより編み糸。
どんなものだろうか・・・