ラピスの玉も最近はこれっ!と思うものとなかなか出会えない。
久しぶりにいい玉が入りましたよと見せてもらってもボタ(白い斑点:カルサイト)が出ていたり、僕が好きな深い藍色ではなかったりと、すこぶる縁が薄くなってしまった。だからこの手のクラスの玉はほんとうにわかっていただける方にと、販売の現場にはふさわしくない考えが自然と湧いてしまうのだ。
仮スゲの状態で取っておいたのだが、いつもいらしていただいてるお客さまのご指定で、急遽制作させていただいた。作り出しちゃえば何分とかからないのだが玉をなでてみたり見つめたり・・・と、大丈夫かこの人?と思われても不思議ではないTONの行動ゆえに別れを惜しむ時間もいただいて、四半時かかってしまった。
おかげで、お話する機会を与えられた。熱心な仏教徒であることも分かり、かつ科学の先端のお仕事をしていることも。科学を突き詰めていくと仏教の世界になる。深遠な中に経典の世界が展開しているとおっしゃっていた。そんな言葉を聞くことができた。「不科学なのではなく科学が神や仏の世界に追いついていないだけですよ」と、TONが口にしたら白々しいだけになるようなことを話してくださった。
でも、ほんとそう思う。