今日は東京のお盆の入り。
お盆というと様々なことが思い出される。
父を早くに亡くしたTONは、春秋のお彼岸とお盆には、家族三人で父の実家のある三多摩の田舎まで横浜から墓参りに行っていた。
当時西武新宿線が高田馬場始発で、東横線を渋谷で降り国電(死語)に乗り換え高田馬場まで行かなければならなかった。このシブヤという駅、そこが一番の難所だった。
母を筆頭に姉もTONも方向音痴。渋谷というのは、というか東京というのはなんと複雑怪奇な街なのだろうかと子供心に深く刻まれた。
その複雑怪奇な乗り換え駅を知っていながら、片道二時間の冒険旅行を小学校に上がらないTONの手を引かせながら、小学校低学年の姉とで、えっちらおっちら墓参りに行くようにさせるのだから。
母も肝の座った人だったんだと今更ながら思わされる。今なら大問題だけどね。
また、こんなことも・・・
「おねぇちゃん、きゅうりが落ちてるよ。ナスも落ちてるよ!」
喜々と姉に大声で報告した。今考えればお盆が終わって次の日の朝だったのだろう。
妙に鮮明に覚えている。ゴミの集積所に幾体も転がっているそのブツは、とても新鮮そうに見えた。当時のTONには夜のおかずとなろうことに思えたに違いない。
それがご先祖の魂のお迎えと、送りに使われたあとの成れの果てだと気づくには数年かかる。見たこともない。ということは、貧乏家庭のTON家では行われてこなかった風習と誰もが気づくだろう。
そんなTONが今こういうお商売をさせていただくのだから・・・天は何をか言わんやである。