朝にいらしてくださったお客様。
八八ヶ寺を御夫婦でお参りされたということでつい立ち話。
「よくわからないことばかりでしたが巡ってきたんですよ」
とのこと。車で巡ってこられたので歩き遍路の方を追い抜くとき、その度に申し訳なくて心の中で謝りながらいたという言葉の中にこの方の誠実さが伝わる。
よくよくお話してみると、22歳で急死された息子さんのためにお遍路に飛び出したのだという。
仕事を共にし出しもう引き継げると思っていた矢先だったという。突然のできごとにご両親の狼狽ぶりが伝わってきてしまう。
じっとしていると狂いそうになってしまうんです。
目頭が熱くなるのをどう鎮めたらよいものやら・・・
ちょうど昨日にご主人の急死のあと、遺志を継いで家族で十数ヶ寺を巡ってこられたお話を伝えさせていただいた。
「そんなこともあるんですね・・・」感慨深げにうなづいてくださった。
そんな心の重荷を背負いながら巡り、お大師さまに、旅先での人との触れ合いの故に僅かづつ重りを削ぎ落としていくんだな。。。決して悲しみは消えることではないのだけれど、落ち込んだ心の天秤の反対側にプラスの心が蓄積してバランスを戻してくれる。。。これがお遍路であり、観音霊場参りなんだなぁ・・・。
木馬館に観に行かなくちゃ。