これが、こうなる

緑檀の独山石仕立ての片手念珠。もう使う予定がないということで改装をご依頼。

親玉がボサ付きの三つ穴玉なので、親玉は取替えさせていただく。

16mmの二つ穴の親玉となると大玉(18玉片手)以上に使用する主玉になるのでなかなか良いのが見つからない。が、玉屋さんセットものを崩してくれたのかな。手に入れ早速仕立て直し。

寸法もちょうどよし。

穴が大きいのでゴムも通常の倍通さないとならない。案外お金が掛かります。

 完成しました。

いつまでもね・・・

毎月15日は浅草寺五重塔院のお参り日で五重塔内にお位牌をお祀りしている家族は塔内にお参りできる。うちのお客様にも多くいらっしゃる。中でも三十年お付き合いさせていただいているご先祖をお庭番にもつ埼玉のTさんはその都度来店くださってきた。

念珠堂が旅行会を催行していた頃に御夫婦で参加して下さり、比叡山や善光寺や北向観音(今は亡き半田住職のお接待も頂いたっけ)何か催し物を行うと御夫婦仲良く飛んできてくださった。

営業畑出身のご主人は東洋大陸上部出身の堂々たる体格。

ゴルフ三昧のスポーツマンでTONにもよくレクチャーしてくださった。筋の通らぬ事の大嫌いな江戸っ子気質は硬派の大学のなかにあってもさらに硬派の性格。そのべらんめい調にかなうものはなかったようだ。

そんなだからいらっしゃると1.2時間は話に興じた。それが楽しくてさらに一時間なんてこともしょっちゅうだったんだけどなぁ。

今日はご家族でいらしてくださった。もちろん愛する奥様もご一緒に。

しばらく前から腰の調子を崩していたので、かがみ込んでいたのではあるが、帰る際姿が見えなくなるまで外でお見送りしていると、手を取りながら歩く姿はあれ?小柄な奥様より背が縮んで見えるほど。

ゆっくりゆっくり足元を気遣いながらもどる姿をずっと見つめていた。

つくづく時間の経過を実感させられた。

浅草のそら 今日は成道会

成道会と書いて「じょうどうえ」と読める人は案外少ない。

じょうどうかいって?そこのあなた、今日という日がなかったら、仏教は世に生まれなかったんですよ。仏教がなかったならば、今の日本はもしかしたら、なかったかもしれないし、キリスト教だって違ったものになっていたかもしれない。

成道・・・悟りをお開きになった。だれが?お釈迦様がです。

お寺の保育園に通っていた我が子達はこの日が近づくと成道会の練習に忙しく、親も駆り出されて準備をした。なんだかそんな習慣が身に付いちゃって難しく頭で考えるより習慣性が成道会を体に染みこませてくれた。

今日もあちこちのお寺では成道会のお祭りを行っているのだろうなぁ。

修復と言う作業。これは芸術だよ。

自分もここまでの修復は見たことがなかった。

ある程度裏打ちしてお茶を濁す程度のものは何度もしてきたが日頃お世話になっている表装専門の会社の営業マンと話をしていて見せてくれた資料に驚きを隠さなかった。

尺5立くらいの阿弥陀本尊の掛け軸と思われるが、ほぼゴミと認識されるところまで風化している。

水を含ませて伸ばしながら元のお姿に近づける。

これは・・・ジグソーパズル。裏打ち紙の上にはめ込んでいく。

ある程度形になると折り目の癖をなくすために補強用の裏打ちを行う。

気が遠くなるわい。。。

正面から見ると如来が姿を現される。。。

あとは表装を施すのみ。

欠損部分を残してはいるが完成。

やりようによってはさらに筆を入れることもできるだろう。

これは、もう、これで芸術だよね。