TONには子供の頃からの癖がある。
子供時代は今と違って貨物列車の黄金期。
国鉄の踏切に立っていると延々と続く貨物列車。
これまた、今と違って、延々と続く。
よくは覚えていないが100輌近い貨車の数珠つながり。
そんな時にひとーつ、ふたーつ、みーっつ・・・・・・・と数えた。
初めは世話好きの姉が弟が癇癪を起こさないようにと始めたことだったかもしれない。
けれど、その遊びは僕の中で習慣と化していった。
だからなのか、同じことが幾百もワンパターンに続いても案外楽しく過ごせる忍耐力(本人は楽しいのだから忍耐力とは言わないのかもしれないが)と無意識のうちに心の中でひとーつ、ふたーつ、みーっつ・・・・と数えている。
そう・・・全く無意識のうちに。
「・・・145、146、148・・・ん?なんだっけ、この数」と電柱の数を歩きながら数えているのに気づくこともある。
そんなわけで、こうして念珠の玉を糸に通すにしても苦はないようにできているようだ。