昔のことを言うようになったら年取った証拠なんて揶揄する向きもあるけれど、動きたくても動けない状態にいるゆえにその時に憧れるということだってある。
二十二、三のころだから40年近く前の写真ということになる。
場所はよく覚えていないが、神奈川県の丹沢山塊のどこかだと思う。
この写真を撮ったあと竣工したばかりの丹沢湖の辺のピカピカの道路を走って厚木ー横浜へと帰ったはずだ。残念ながら途中の記憶は惜しむ無く消去されてしまって思い出せない。
ただ、途中開削した法面に群生していた、すすきの穂の匂いが風に舞って記憶の一ページを飾っている。
頭のどこか、海馬の奥底にでもしまいこんでいて、シナプスの減少したTONの頭では拾いきれないのだろう。
ここはいっちょどこかですすきを取ってきて、大きい鼻の穴からその匂いを思い切り吸い込んでみようか・・・
香りと海馬は直結しているというのだから・・・・