無患子、むくろじ、むくろじゅ、である。経典にも登場する場合は木患子と書く。
馴染みがないようでいて、実はあ~あれか!ということが多い。最近は正月に羽根突きはあまり見なくなったが、浅草の師走の行事には羽子板市がある。羽子板だけではゲームにならないだろう。羽根が必要になろう。その羽根の先についている重りがわりの黒い玉、あれがムクロジだ。
こんな数え歌をご存知だろうか。地方によって多少登場人物に変化はあるのだが・・・
いちじく にんじん さんしょに しいたけ
ごぼうに むくろじゅ ななくさ はつたけ
きゅうりに とうがん ♬
覚えているとおっしゃるお方は、人生の大先輩とお呼びしたくなるTONである。
硬い表皮をさらに剥いて中身を取り出せば、渋みの強い種子が詰まっている。渋みはサポニンのせいであり、石鹸の材料ともなる。へ~~である。TONも初めて知った。
案外身近にムクロジの木は生えている。上野のお山にも、深大寺のお寺にも結構大量に拾えるようだ。
そのせいではないだろうが、ムクロジの仏教では菩提樹のように徳の高い念珠の材料と見ている。そういうことを知っているのだろう。きっとね。
ムクロジュの実を持ち込まれお念珠に仕立てたいとされるお客様は多い。
あとは編み込んで房をつけて終了となる。