長くお付き合いしていただいているお客様から仏様を頂戴した。

奥様を亡くされて100体の仏様を彫ると発願された頃にお会いしたのが、もう・・・・20年も経つのだろうか。正しくは18年だったか・・・

若々しくてとても僕より一回り以上先輩とは思えない素直さと若さを併せ持っておられる方だった。お会いしたばかりの頃は一部上場の企業戦士の風格が漂う背広姿でご来店いただいていた。

凝り性で何事もとことん極める。
仏様を彫っていると聞いたときは見せてもらえるとは思えなかったが、何回かに分けて仏頭やら手のみとかパーツから、そのうち本体を、観音様、お地蔵様をと拝見することができた。

当時は彫り始めたばかりの頃で、情熱が先走っている感じの表現で、作者によく似た仏様を拝ませてもらえた。

TON主催の写経会に参加されたりコツコツ通ってくださった。

企業戦士を漂わす風貌からいつの間にか仏師の風貌に変化していた。

「お見せしたくてね」

と、しばらくぶりに訪ねてくださった。

念珠修理をしている間、積もる話をさせていただいた。

「そうですか77歳ですか」

彫りの仏像にも顕在していた。

へ~~~~。感動した。
欲もてらいもない。

木に隠れていらっしゃる仏様がひょこっと現れた。
そんな気持ちにさせてくれる仏様だった。

「一体差し上げようと思ってね。どっちがいいですか」が、これも縁だからね。
と・・・二体の仏様とも僕の御宝前に並んだ。

自然力

店前のプランターにモンシロチョウが舞ってました。

どこで卵からかえったのだろう・・・

どこで青虫時代を過ごせたのだろう・・・

時々はアオスジアゲハも飛んでいることがある。

水をまいているとシオカラトンボも敷石の隅のわずかな水たまりにツンツンとお尻をついていく。
おいおいそんなところに卵を産み落としても、子供たちが苦労するよ。

そんな光景も展開する。自然の力ってすごいものだ・・・といつも思う。

都会といっても、膨大な地球という大自然の地殻のわずか部分をお借りして、動物たちの骨が変成した石灰石から作るセメントや白亜紀の植物たちの変質した油から取ったアスファルトやなにやらかにやらで作ったわずかばかりの人工物なのだもの。ほんの僅かな空間なのだ。

大自然の前に畏怖する心を常に胸のここに保ちたいものだ・・・

浅草のそら

朝から暑いです。

7月でこの暑さでは、酷暑の本番にはどうなるのかと恐怖です。

それにしても・・・いつから夏に恐怖を感じるようになったのでしょう・・・

念珠は切れるのがお仕事・・・・?!

念珠の中通しの糸の寿命って気にしないものですよね。

切れて初めて指折り数える程度。
まだ20年しか使っていないのに切れちゃった・・・
は、論外ですが、たった10年で切れましたは案外いらっしゃるものです。

普段どこに置かれていらっしゃるか・・・虫は糸を好みますよ。
使用中に雨に濡れたり、夏の紫外線にさらされたりしていませんか。

念珠も生きていますよ。

気を使うということ、法具に対する愛情も修行のうちです。
未然に防ぐということはいかに相手に注目して認識するかということだから、愛情の表現でもあり、修行のひとつでもあります。

ものには魂があると信じています。それだけに愛着(執着ではありません)して、意識してあげれば必ず何かを返してくれるものです。

横道にそれますが、自転車好きなTONは愛車のことなら隅から隅まで舐めるように意識していましたよ。ハブのベアリングの一玉が調子悪くても足に応えてくれました。何度事故を起こしてもおかしくないシーンになると、決まって愛車がかばってくれたものです。

ものには魂があるとはそんな中で実感しました。

普通の道具でもそんなものです。
まして祈りの道具・・・法具の念珠です。意識してほしいなぁ・・・


玉の角で物の見事に磨り減っているのがわかります。

ついでと言ってはなんですけど・・・
宝飾店ルートのお数珠の仕立てはこういう感じです。
化せん糸(ネックレス用)を二本ネックレスの要領でつなぎます。

彼の国産の仕立てと比べれば綺麗に入っていますが、基本はネックレス。
念珠屋が作ったなら、玉穴をほっておかないでしょうね。