老山白檀不動明王

最近めっきり希少価値視されるようになってしまったマイソール産白檀。

「白檀でできています」
ということで高額なものがまかり通っている彫り物が多いのですが、実は注意しなければいけないのです。

白檀でも高額なのは、インドマイソール産つまり「老山白檀」と命名されている白檀が最上品とされていてます。
香りもさわやかな涼風のような甘さを持っていてファンが昔から多いのです。

残念ながら、伐採が難しくなったことやインド政府の輸出規制、中国やヨーロッパでの需要の増加、さらに投機筋によるものなどの理由で老山白檀の日本への輸入が皆無に近い状態となってしまったのです。

今は、香りは濃厚でも甘さが目立つインドネシア産の白檀が主流になりつつあります。
白檀は白檀ですので、表示は間違っていません。

(実はそのマレーシア産も値上がりつつあるのです・・・が)

この不動明王は数少ない老山白檀ということになります。

反対側から見ると、


良く彫れているでしょ。


実はこんなに小さいのです。
これが最後の一体ということになります。

柘植材のものは継続できるのですが、老山製はこれでおしまいになります。

白檀で彫れないのは実に残念ですね。

不動明王

銘木(桑)の厨子との組み合わせ。

不動明王のカルラは深彫りにしての巻き火炎なのである。

鬼子母神

楠木を材にした鬼子母神です。

金泥書きもでしゃばりすぎず、品がよいと思います。

日蓮上人

柘材の日蓮上人。

お曼荼羅が後背のスタイルで台座に固定されているので、とても扱いやすい。

なぜ今までこういう工作に気づかなかったのかな。

金剛夜叉明王

オーダーで作らせていただきました。

毎度のことながら、出来上がるまでハラハラしながら待つ気持ち。
なんとも言えないなあ・・・

でも、今まで明王像でははずれたことはありませんでしたが今回も及第点かな。

あとはお客様の喜んでくださるお顔だけです。