精密彫り玉

精密彫りはどんどん値が上がって手に入りづらくなってしまった素材の一つ。

普通の羅漢彫りでも彫る人がいなくなったということで、廃盤になってしまった玉も多い。ちなみに国内の骸骨彫りはすでにアウト。良かったのに。ほんとにやりにくい。。。気に入った素材が次から次になくなっていくのは寂しさすら覚える。

「在庫でとっておいたのがありました」と、さっき材料を持ち込んでくれた。即いただくことにした。

羅漢彫りの中でも一番めんどくさい手のかかる透かし彫り。自分で彫ってみたらよくわかる。二次元の中にレリーフするのは案外手はかからない。それが三次元になると・・・こんな厄介なものはない。玉である以上玉、球になっていること、それが彫り上がった時に同じ形状であること。が、必要条件。

彫りも絵柄が始発と終点がきっちり合わないといけないし(それが三次元的に繋げないといけないということなど)、中刳りも丁寧にしておく必要がある、等など。

大玉の精密彫りは殻が薄いので取り扱いに注意が必要だけど、見ていて飽きが来ない玉だ。

ただ、注意を怠るとパキン!と割ってしまうのが難点。その難点が好きという方もいるわけで、そんな方のために素材はとっておかないといけないと思ってストックした。

27玉ですが、腕輪に使えます。どうしようかなぁ。。。
18玉用の精密彫り。
18玉用の精密彫り。

改装のこと

たぶん中国産のお念珠と思われる。玉の中をテグスで通してひょうたんの親玉を使い、人権糸の切り房で締めくくる。ネックレス用の玉を使用しているので、どうしても玉穴に関しては想像通り。

これからも長く使用していただくための工夫だけは考えなければならない。瓢箪の親ぼさも見ようによっては風合いがあっていい。けれどここはお客様のご要望により、二天玉と同じ紅水晶に交換して正絹房を付けることにした。

なんとかウーリー糸の細い糸が通すことができたので、なんちゃって造りにならなくてよかった。

中国の玉との相性よくバランスも取れたと思う。

 

 

玉穴の状態
1mm穴の玉は案外と穴繰りは綺麗だったので助かった。

ラピスを軸にした改装

もともとお選びいただいたラピスの腕輪。

これを元にしてあれこれ玉を考えて改装します。

素材になるラピスラズリーの腕輪です。
素材になるラピスラズリーの腕輪です。

腕輪念珠である以上、二天玉とは欠かせないとしてルチールの三点、

それにアクアマリンを挟み込み用に使用。

なんかいい感じ。

ルチルをアクアマリンに置き換えてルチール3点を組み込みました。
完成しました。ラピスをアクアマリンに置き換えてルチール3点を組み込みました。

こういうのも可愛いですね。。。

お客様のご注文で制作させていただいた。

水晶切子に赤、白、紫の三色正絹紐を通して花籠編みしてみた。

切子ものは穴が通常より小さめなので紐が通るか危惧したが、穴の加工が丁寧であったことが幸いして難なくスルスル通すことができた。

水晶には中通しの糸の色を吸い込む特質があるので、ほんのり桜色。こういう効果が期待できるから白水晶は面白い。

で、その大きさ。

小さめな輪っかになっているのは、じつは子供さんのための念珠なのである。

大人念珠と子供念珠の比較。
左は大人用の片手念珠。右は今回の制作。

可愛いよね。

成人する頃には、玉を足して大人用に作り替えれば一生ものと言える。

だからこそ、子供さんの小さいうちにお守り用のお念珠をしっかりした玉で作ってもらいたい。と、思うTONなのであります。

柘の完全素挽き

柔らかいトーンが魅力です。

今までなかったのが不思議。結局一から全て玉を挽かないといけないのです。

 

泣きたくなるよ。

悪い玉
穴繰りは切っぱなし。ヤスリと一緒。

見えないところは手を抜く店(職人?)がまだまだいるのか。。。

決してTONが裁判官なわけではないし、高所からものを言う気はないのだが、情けなくて仕方なくなる。

つないでしまえば穴繰りの状態は見えなくなるから、見えるところの装飾に手を入れていると高額なものとして値付けが可能となるわけで・・・でもね念珠の基本は、というか屋台骨は玉ですよ。玉にどれだけ真心こめて仕上げてくれているかです。その他の事はあとからどうでもなるのですから。玉は一生ものです。

 

まだまだ人気は衰えませんね。今までいくつ作ったことやら。。。

四国番外20番の念珠作り。
四国番外20番の念珠作り。

本翡翠はやっぱりいいなぁ。。。

以前に本翡翠と象牙とを組み合わせで制作させていただきましたが下がりのいくつかが割れてしまったのでお直しということに。

象牙も貴重品になってしまいましたが、翡翠のこの色はまず入手困難。大切に使えば一生もの。また会いましょう。。。

 

不動胸飾の仕立て替え

胸飾も比較的作らせていただいていきたが、切子下がりをつけての製作は初めて。

手毬房で作るのはさほど難しいことではないが、通常の親玉と違いT穴ではなく覗きレンズの腕輪念珠親玉と同じで集合する下穴のかかりが浅いために弟子玉の重さで簡単に糸が音を上げてしまうことことが難点で、ここにはちょっと工夫が必要になった。

ま、おかげさまでと言うのか、特殊な工作を過去に何度もさせていただいてきたことが、こんなときに役立つのだから、どんな仕事もおろそかにできないということなのだろう。

やはり技術は、積み重ねが大切ということだ。と、思う。

不動胸飾