造り替え。

造り替えのお仕事は、比較的多い。

時々このブログ上に載せさせてもらうことがあるけれど、概ねTONのブーたれることが多いのも事実。

持ち込みの珠の性格さえよければ、長く使える宗派の形に替えられるのだが・・・。

今回は違ってました。♫ウキウキ

もともと通っていた中糸は極細の人絹の糸だったけど、玉の性格がすこぶるよいし龍眼菩提樹の素挽きに近い玉ゆえに見栄えのする念珠に仕上げることができたのではないかな。

ラピスも今手に入る中では最上のものを選ばせてもらった。

つもり・・・だし。

長く使える逸品に仕上がりました。

こうなりましたよ。

四国番外札所のニューバージョンで紫檀を使用しての片手念珠。

本物の持つ銘木紫檀のぬくもりが伝わってきますね。

パープルハート

木の素材も実に実に奥が深い。

最近手に入れたパープルハートという中南米産の木玉。

染めたわけではなく、元々がうす紫に染まっている。

店の子が、「むらさきいも」みたいとのたまわっていたが、言われるまでもなく自分もそう思っていた。
尺玉くらいに小さくしてもいいのかなとも感じる。

房はあやめ色がバッチリだけど、古代紫とあわせても厳かになりそう。

枕木の材料にもなるというほど硬い木は過去に月桂樹の角材を見つけ玉にしたことがある。

これもなかなかよかった。

素材を探してきてたまに加工するのも石だとちょっと大変だけど、木質だと手に入りやすいし、芯材と周辺材で違うし、あれこれ手を変え品を変えしてみる楽しみがあるのだな。

勾玉ストラップ

勾玉に正絹紐を通して編み込んで、その場でオリジナルを作るサービス。

以前は日本人しかいなかったのに、最近は外人のお客様が増えて、勾玉でストラップやネックレスを作って。と依頼されることが多くなりました。

待たせたくはないのですが、お店が混んでくると追後回し。

集中すれば数分で作れるのだけれど・・・申し訳ない。。。

お客様もさるもので、浅草寺にお参りにいってしまいました。。。

慌てて損したなぁ。。。

最近多いです。

四国番外二十ヶ寺。

自分でも作れるように紐がセットされているのだが、あまりにもみすぼらしい(失礼)

それはそうでしょう。苦労して20ヶ寺を歩いて戴いた(買うのだが・・・)念珠珠ですからね。
きちんとして後にまで残しておきたいのが人情でしょう。

ということから、正式の形に整えるために持ち込まれることがとても増えました。

出来上がりました。

素挽の正梅

長らく木の念珠というと木質なのに表面がキラキラしているものが主流でした。

が、なんか変だよね。から始まった問いが切った材料のままに使う素挽き仕立てを産みました。

正梅もこんな自然な風合いに仕上がるんですよね。

念珠=こころ

最近は仏壇が売れないと同業者仲間から悲痛な声として繰り返し耳に入る。

少し前は、海外の安価ものを安売りチラシと機動性を武器に展示会戦略で既存店の商圏(もろになわばり意識だが)を荒らす業者に売上を持って行かれたと聞いていたが、公正取引委員会が動いて鎮静化したようだ。

が世代が順繰りに交代してくると様々な要因から仏壇を祀らない家が多くなった。買い替えといえば小さいお仏壇への買い替えで、ややもすればお引取りだけの要望ということも。
少子高齢化や跡取り問題のしわよせが顕著に現れているように思う。日本人の先祖意識の希薄がさらに根底に有ると感ずるがそれを話すと宗教家への苛立ちにヒートアップしてしまうのでそんなもんだとあきらめる。

念珠に関してはそうした文化の衰退に反旗を翻し、なのか、かろうじてなのか、気を吐いているのではないだろうか。

しかし製作というより改装という分野が格段に伸びたのも確か。

20年くらい前、日本の有数な数珠の産地が念珠修理をするくらいなら、供養(つまり廃棄)してしまうようにお客様に説得して新しいものを購入してもらうようにして欲しいと方針を出した時期があった。

怒った。TONは。
念珠は手作りだけに量産とは行かないがそれでも同じ種類のものを大量に制作したほうが楽だし価格もこなせる。
けれど念珠にはその名のとおり「念」・・・つまり「祈り」がこもったものなのだ。先代や先々代から引き継がれたものもある。

物であって物ではない。心なのである。
念珠としての自殺行為ではないかと思った。

ということがってTONは、どんどん受け入れさせていただいた。
といってもたかがしれているけど・・・

おかげで独自の製作方法も編み出せたし、ノウハウも蓄積できた。

いつの間にか直すより新規と言っていたところが方向を転換していた。
でもどれほどの遺産としての念珠が失われたのかなと思うと心が痛い。

最近は遺品の宝飾品を念珠にということが多くなった。
ま。それも僕らの使命だと思ってはいる。


真珠のネックレス

水晶の道具を足して・・・

守護本尊おまもりプラスα

念珠堂のオリジナルです。

祭りの季節になるとあちこちからお声を頂きます。

神輿の担ぎ手が首に架けるためだとか。

けど元をたどれば、日ごろから身につけてもらいたい。と、思い創作した御守り札代わりの守護本尊お守りです。

ずーっと茶色の正絹紐で通して何一つ手を加えるでもなく製作してきましたが、お買い求めいただいたお客様が日蓮宗で、初めは日蓮上人の札はないかとの問いかけでしたが、残念ながら札を作るまではいかないので、手持ちにあった南無妙法蓮華経のひげ文字の玉を入れ込んでみました。

大変喜ばれました。

ちなみに素材は白檀です。玉は108本連尺二寸~尺六寸まで。

もちろん・・・念珠堂のすることです。2尺4寸以上三尺でも四尺でも製作は可能です(≧∇≦)/