特注での製作、試験的に創った念珠などなど。
じゅずだまっていうと、子供の頃によく糸でつないで遊んだあれを思い出すのですが。
この玉は、やけに大きい。
じゅずだまと言うのだから、数珠にしてあげたらよいのだろうが、なかなかその機会はなかったと言うのが本当のところ。
曹洞宗に仕立てた。
足らない玉は水晶を補充。
なかなか面白い雰囲気だと思う。
子供の頃、遊びの道具にしていたのじゅずだまを使ってみたらどんなになるかな。
でも、しかし、最近はあまり目にしなくなったなあ・・・
108玉の本連念珠の下がり部分にちょっと手を加えてストラップにしたものです。
こういうストラップもおもしろいでしょ。
お店に出す商品は、極力自分が実験台になって様子を見たり、何より気に入ったものを選んで後に店頭に並ぶ。
つい気に入りすぎて、手ばなせなくなって並ばないものもあるのは困った傾向だと言えるのではあるが・・・
本当は経年変化を調べてから。という気持ちもあるのだがなかなかそこまで追いつけない。
その点、お客様はありがたい。
特に念珠は僕の専門でもあって、数年先に必ずお直しにいらっしゃる。
戻ってきた念珠をみると、たまに見るも無残な姿に変貌してしまったものもあるのだが、老いてなお闊達に頑張っている念珠を見るとき、なんとも言えない喜びが湧くことは以前から何度か書いてきた。
今日おみえになったお客様に依頼されて直した心経入りの腕輪念珠は、木としては硬い白檀材なれど、すでに変形していた。
磨耗による変形だ。
彫文字の芯はその輪郭部が立ってその周りは凹む。
○玉だったはずが五角形にも六角形にもなっていたりと実にユニークに変化する。
その変化が、お客様との縁の深さのような錯覚を覚える。
作りながら不思議な気持ちにさせられるのだ。
ムーンストーンの中でもロイヤルムーンストーンです。
さらに手に入りづらい平玉を使用しました。
27玉の片手念珠を製作するのに必要な玉の大きさは、概ね主玉が10mm、親玉で14mmが必要となります。
通常、天竺菩提樹・・・と言うか、実玉の場合、種子を除いた殻部分を使うわけです。
ただ、殆どの実玉は、種子はそのまま残していることが多いので、ピーナッツのように美味しい中身は虫の大好物。
虫食いの要因になりやすいのです。
「虫食いが進むと、珠の中が中空になるから念珠を擦る音がよくなる」なんてことが昔はしたり顔で言われたものです。実際そういう側面もあるのです・・・が、現代人はなかなかそういう話では納得してくれませんし、したいとも思いません。
そこで防虫加工した玉が流通するようになるのですが、薬で防虫したものは使用したくありません。そこで通常、うちで防虫加工と言った場合は、玉の穴部分に糸通しのための中空のピンを差し込んだものを一玉一玉差し込んで加工したものを差します。
さらに上級な処理の場合は、っていうことで、この天竺菩提樹のように殻の部分だけを材料にして玉に磨るという方法が考えられるわけです。
解りやすく言えば、クルミを想像してください。
念珠に使う材料はその皮部分のようなものです。
あの殻の部分から玉を抜く。
と言うのは簡単ですが、とてつもなく不可能に近い作業なのです。
なぜなら・・・
10(14)mmの厚みの殻が必要であるからです。
クルミの殻なんていったい何ミリあるでしょう・・・
と言うことは、肉厚があり、きめが細かく、照りが良く、色合いが爽やか、そしてとてつもなく大きな実を厳選して製作するのです。
それを何十玉と均一なもので揃えるのですから、いかに大変かと言うことなのです。
で、出来上がったのがこの天竺菩提樹の片手念珠です。
一見しただけではわかりませんよね。
手で持っていただければ、中空の天竺菩提樹より玉が小さくとも、ずっしり重いことに気づくはずです。
念珠はおもしろい・・・
ちょっと結び部分物が足りなかったので、もう一結び付け加えることにしました。
少し豪華に見えますね。
これでほぐれの防止も兼ねるので、より組み紐部分が強くなります。
一石二鳥。
始めに付いていた房と比べると全体が引き締まりました。
華籠結び最期の段階。