新東京タワー

子供の卒業式に出かける電車内から
ふっと外を見ると業平橋駅に近づこうとしていた。
あ!どうなったかな。
もちろん新東京タワーのことである。

定点観測を考えてから中だるんでしまったが、
もう工事に着手しているはずで、基礎ができればあっという間にたち上がってしまう。
オールウェイスは何も昭和の時代だけではないのだ。

下町のこの近辺だって充分にAlwaysなのだ。

業平橋に広がっていた操車場跡地はきれいに整地され
ここに車輌が留められていたなど思えない様相に変化していた。

試し坑で多分地盤の調査をしているのだろう。

彼岸月

ラリーの夢だった。

北に向かう高速道路上を快走していた。
トップを走っていてすこぶる気持ちはよいのだが、そうも言っていられない状況であった。
何故ならひどい天候だったからである。

お先真っ暗とはこういうことを言うのだろうか。
暗雲たちこめていて、バケツをひっくり返したように振る仕切る雨。

ワイパーがはちきれんばかりの勢いで、ウィンドウの雨を弾き飛ばすのだけれど、全く間に合わない。
それよりも何よりも、道路の左右は川のように濁流となって、その水がついに溢れて路肩から越水してきていて左右の一車線は、走れるどころではなくなっている。追い越し車線をひたすら走る。

(どうも台風と一緒に北上しているみたいだ)
そんなことを思った次の瞬間、数百メートル先の道路は冠水して湖と化している・・・。

「もうだめ」
そう思った瞬間、パーキングエリアが見えた。
もちろんあわてて滑り込んだ。
(しばらくここで避難しよう)

休憩室に入るが人っ子一人いない。
遅れて、後ろを走ってきたS氏も避難してきた。

しばらく二人で休んでいたがレースがどうも気になる。

「戻ろうか」どちらからともなく声を掛け合い、(またあの悪天候の中に戻るのか)口には出さず、勇気を振り絞り立ち上がった。

「せっかくの記念だから、写真を撮ろう」
デジカメを取り出してSさんを撮ってあげる。

彼を中心に、宇津井健と何人かが同時に写りこんでいた。

あれ?5人もいたっけ?彼に見せると、「気持ち悪い事いわないでよ」と言いながら、僕を残して立ち去ってしまった。
一人残されて、ようやく
(おっかねえ・・・)と言いつつ目が覚めた。
 
何でこんな夢? 
ア!そういえば・・・
昨日、仙台の菩提寺から「年貢を納めよ」と案内が来ていたっけ。

母の田舎の寺では護持費として毎年「供養米」を請求される。
都会に住むものには、お金に換算してよいことは暗黙の了解となっている。

「田舎だからお米なんだよ。熊本の上さんの実家からお米を送ってもらおうか」冗談を言っていたのだ。

月曜日に早速、振り込むとしよう。

ニシムクサムライ

あやうく今日が月初だったことを忘れる所だった。
仕事上も2月分の精算をしないといけないし、
月初だと早朝から行動予定も決まっているから、忙しさが異なってくるのだ。

あと二時間で、浅草寺に走っていかないといけない。
行ったが最後、昼過ぎまでバタバタしてしまうのは目に見えている。

何で2月はこう日が短いんだろう・・・

「西向くサムライ」小学校低学年に覚えた短い月の覚え方。
初めから30日でやっていけばよかったのに・・・
などと思った記憶が蘇る。
そのパターンに呑み込まれ飼いならされてしまった。

長い付き合いの中で、不思議とも思わなくなってしまった。

思ったついでにgoogleで
「何で2月は短いの」と検索をかけてみた。484000件もヒットした。
同じようなこと考える御仁が世の中にはいるものだ。

明治時代、文明開化の足音と共に、それまで使用していた暦を大転換した。
月の満ち欠けを軸にした太陰太陽暦から、お日様を軸にしたグレゴリオ暦に転換した。世界標準だとしながらも受け入れた先祖たちは、大変な思いをしただろう。どさくさな時代とはいえずいぶんと柔軟なものだ。たいしたものだ。偉いなあ。。。いつか調べてみなくちゃあ・・・
などと訳のわからないことも頭をかすめては消える。

ともあれ、今日がスタートしてしまったのだ。

さて一日の準備をしなくっちゃ。

下手人(げしゅにん)

当店の入り口に陣取っていた20匹ほどのめだかの親子がいたそうな・・・

ある日を境に2匹減り、4匹減り・・・
気付くと親子合わせて6匹に激減していたと・・・

そう・・・
ニャーオと毎日のように訪ねてきていた訪問者。

こいつしかいない・・・
犯人(ほし)のめぼしをつけたら、こなくなった。
悟られたか・・・

しばらく姿を見なくなった。

今朝しばらくぶりに顔を見た。
そおっと近づいてみると、
毛並みがすこぶる悪い。


どうしたの?
急に老けたのかと思った。

最近子猫をまた産んだって!

それで合点がいった。

子猫の栄養になったのか・・・

写仏と写経

仏画と写経をひとつにして表装をする。

色は入れないが、仕上がるとなかなかのものである。
多少絵心はなくとも、心がこもる一筆は沁みるものがある。

忘却

今日は急用で何人か休んだ為に、
精鋭での店番だった。

フラフラと出かけることもなくまじめに店に張り付いていた。

おかげで、いくつもの出逢いをさせてもらえた。

昼過ぎに来店された仲の良い母娘のお客様。
小一時間店内でゆっくりされていた。

年頃のお嬢さんと友人のように何でも相談しながら買い物を楽しんでいらっしゃる。
(よほど仲がいいんだ)そう思いながら、話の輪に入った。

北海道北見の方だった。
和気藹々に話しておられたと思っていたお嬢さんは、
一年前の北見のガス事故で一酸化炭素中毒の後遺症に苦しんでいる一人だった。
生きていたのが不思議なくらいなのだという。

外見からは全くわからない、年頃のお嬢さんなのに、
中枢神経がやられてしまって通常の受け答えができない。

「北見市の事故?」
伺っても、
初めは何のことか頭に浮ばなかった。

都市ガスの事故・・・」とさらに聞いて、
当時マスコミを賑わした。
ようやくはっきり思い出すことができた。

次から次に起こる事件事故に、去年1月の事故と言うのに・・・
もう忘れかけようとしている自分にあきれた。

しかし当事者は、こうして、
現在進行形で生き地獄を味合わなければならないのだ。

考えさせられた。