「何…これ~~」
店の誰もが始めてこの香りに触れるとき
発する第一声だ。
麝香(じゃこう)ムスクともいう。
麝香鹿の香嚢本体である。
ここからとれる精油が、俗に言う媚薬などとも呼ばれる。
ワシントン条約の網にもかっかっているから
入手困難な状況。
お香の材料って、この先どうなるのかなあ・・・
「何…これ~~」
店の誰もが始めてこの香りに触れるとき
発する第一声だ。
麝香(じゃこう)ムスクともいう。
麝香鹿の香嚢本体である。
ここからとれる精油が、俗に言う媚薬などとも呼ばれる。
ワシントン条約の網にもかっかっているから
入手困難な状況。
お香の材料って、この先どうなるのかなあ・・・
はい。
すっかり暑さは戻りました。
が… どこか秋。
表装依頼で巡礼軸を、よくお持ちいただく。
尋ねて来られるお客様も、せっかく巡礼いて集めてこられた御朱印を
なんとかしたのだけれど、どこに依頼すれば良いのか
皆目見当もつかず、床の間にたて掛けて置くにまかせざるをえなかった…
というのが正直なところのようで、
たまたま、当店の前を通りかかったら、店奥に架けてある観音軸に目が留まり
「もしかしたら…」と期待されて尋ねてこられるのだ。
というパターンが、圧倒的に多い。
実のところ、もともと写経用品も、巡礼用品も、
お客様への便宜から最小限度を展示していたのだ。
それが、
ある時期、テレビや新聞などの取材の連続で、
店側の意とせぬところで、需要が急激に拡大した。
(Boo店長も、ゴールデンタイムの番組に出演したことがあるのです。
受像機壊れなかっただろうか…)
そんなこんなで、図らずも、コーナーと商品点数の拡大をせざるを得なくなった
という裏話なのですが、が、しかし、一度廻りだした車輪は、
スパイラル的に拡大するようでして、
いつのまにか、少しばかり都内では優位な品揃えの店に成長させていただいた。
というのが、本音のところなのです。
こうして巡礼し、集印されたマクリ(表装前の状態のこと)をお預かりするたびに
実は、ブル!っとくる。
(「ブル!」なのに赤字の表記……?
というところが実はミソなのですが…)
ご理解いただけるでしょうか?
度々、神妙な気持ちにさせられる。
「巡拝軸」にしても、「集印帳」にしても、お客様は当店から
お買い求めされて、巡礼に出かけられます。
そして、何ヶ月かされて日焼けされた顔で再びご来店されます。
表装をご依頼される為です。
お預かりする「それ」は、
数ヶ月前の「それ」ではなくなっているということなのです。
すでに魂の入った、まさしく「御霊」そのものなのです。
もちろん、表装が済んでお寺で開眼されてようやくお御霊となるわけですが
預かるその時点でも、実は充分お御霊と感じられる次第なのです。
携わるものならきっと同じ感触を持つことでしょうが
僕は、受け取った瞬間、ズシ!
っと、その重みを感じます。
お買い上げいただいた数ヶ月前とは、
全く異なるものに化けている。
思いや祈りを質量であらわせるなら、
きっと僕には持てないくらいの重さなのでしょう。
だから一気に、巡礼されてきたお客様の心のレベルまで
グイっと持ち上げられるというのか、引き揚げられるのを感じる。
受け渡されるたびに、そんな畏怖心ともいえるものが
水面下でいつも波打っている。
それはまた、楽しみのひとつでもある訳です。
水晶とブラックトルマリンを組み合わせた
アンサンブル。
ブラックトルマリン主玉のほうが12mmで男性用。
水晶主玉のほうが10mm玉で女性用。
12mmとなると、随分過ぎる迫力。
紫檀10mm玉+水晶
女性用としてこさえたもの。
ようやく台風一過の青い空。
けれど、蒸し暑さが戻ってしまった。
やはり青空が似合う風景だ。
彼岸の月。
墨田川沿いの公園の花壇に咲き乱れていた彼岸花。
先の台風が、ほとんど吹き飛ばしてしまっていた。
毒々しくも感じるほどの彼岸花の赤。
我が家では、
彼岸花を摘んで帰るのはご法度だったことを想い出す。
子供のころ、父の墓参りに横浜から小平の田舎まで
母に連れられて秋の彼岸に毎年出かけていた。
東横線で渋谷に出て、
迷い迷いしながら、国鉄に乗り換え、
当時は西武新宿線の始発駅だった高田馬場駅まで出る。
ここからがまた長かった。
小平が田舎?なんて思われるだろうが、
当時…昭和30年後半の西武新宿線は、新宿を過ぎると、
とたんに郊外の風景に変化した。
まだまだ、武蔵野の面影が子供心にも理解できるほど、
緑は多かった。
田無駅で鈍行に乗り換えるが、これがなかなか来ない。
枕木に生えるぺんぺん草を見つめたり、
視界を遮る何ものもない真っ青な空を、
飛び交うとんびの姿を見つめたり、
暫くホームで姉と遊び疲れた頃、
ようやく目的の電車がトコトコと入線する。
なんとものんびりした牧歌的な風景だった。
子供心にも遠くに来てしまったと、旅情を味わったものだ。
花小金井の駅からさほど遠くないところに墓所はあった。
線路脇に咲く赤い花を摘んでいけばよいのに、
わざわざ、花屋によって生花を買っていくのが不思議でならなかった。
あまりに不思議で一度聞いたことがあった。
母はいぶかしい顔をしながら、
「これは摘んじゃだめなの」
母にたしなめられた。
それが、後々、彼岸花ということを知った。
何故摘んではいけないのか、未だに理解していないのだが…
母には「死者の花」と刷り込まれていたようだった。
(墓参りなのにね)
だから、彼岸花を見るたびに、
その時の光景がふと浮んでくる。
近くで見ると…迫力ある。
珍しく台風の影響で隅田川も今日は濁り川。
上流域が都市化されて、田んぼも減り、
道路も舗装され尽くされているから、川の流出係数が小さくなって、
流域で保水できない分すぐに下流域は水嵩が上る。
情緒的に見ている分には、ああ台風の影響は
すごいなあで済まされるけれど…
河川管理者は、テレメーターをにらみながら、
パトロールにさぞ忙しい事だろう。
きっと水防出動で何日も泊り込んでいることだろう。
まあ、この濁流が収まった後こそ、
片付けでさぞ大変だと思う。
住民の知らないところで、様々な人たちが動き回ってくれて
僕らの安全は担保されているんだ。
感謝せねばな。
あれだけ降ったのに、屋形船の船着場はなんでもないんだから
上流の分水工事にこれまた感謝せねば…
戦後、高度成長前期まで、台風が引き起こす床上下浸水に泣いたことなど
どこ吹く風の現代。
これが当たり前と思ったら、大変な見込み違いだ。
猫、のんびりと
昼寝の図。
今日は台風でまた開店休業…
と思って店に行けば、
もうお客様がレジで精算されていた。
早や!
写真はめったに見られない巻き上げられた提灯の雷門。
台風は過ぎたけど…
まだまだ油断はできないね。