密教法具・隠れた人気者
念珠堂の店頭では、案外と引き合いの多いのが前具です。
金剛鈴は紗張を使用しているので、余韻が長く続きます。
人気のあるところかもしれません。
鳴り五鈷杵とあわせて求められる方も多いです。
最近・・・
最近仕事を家に持ち替えても、玄関のドアを閉めて荷物を降したたとたん、もうかばんを開ける気力がなくなる。
持ち帰らなきゃいいじゃんと思うのだが、持ち帰らないといけないかなと焦燥感を感じて、つい重いかばんになる。
けど、家に帰ってしまうと、バッタンキューとなってしまう。
このくりかえし。
そろそろ見切りをつけなきゃと思うのだが・・・
浅草のそら
過ぎたるは・・・
麝香(じゃこう)鹿の香袋なのだ。
つまり陰嚢のこと。
今はワシントン条約で禁止になって久しい状態でなかなか現物を手にすることが難しくなった。
これは香材料の見本として数十年前に手に入れたもの。
鹿さんの毛並みが見えてちょっと引くかもしれないけれど、大事な大事な香の材料となる。
麝香・・・ようするにムスクだもの。
そして、あるときにTON店長が香を作る機会を得ました。
そこでは貴重なムスクをふんだんに使えると言うことを聞いてピンときた。
ムスクはクレオパトラの愛した香り。
「ようし。ほとんどムスクの香って言うのはどうじゃらほい」
欲張って作ったのでした。
それがこれ。
作った当時からほとんど減らない個数。
たまーに、本当にたまーに今でも焚く時があります。
とたんにTON店長の周りからは、人が逃げていきます。
そりゃそうだよね。
お汁粉に甘みを引き立てるために塩をほんの僅か使います。
塩だけで作ったお汁粉は誰も食べません。
TON店長のお香は、塩のお汁粉のようなものだったのです。
ほんの数グラム僅か使えば奥行きのある香りとなったものを・・・
ベースになったマイソールの白檀の香りも消えうせたようでした。
浅草のそら
仮屋根で見えません
浅草寺本堂の屋根の吹き替え工事。
仮屋根が残体を覆うまでになりました。
惜しいことに、中の進捗状況が見えないのですよね。
二天門の工事もそうだけれど、シースルーできて、日々の状況を共に感じ取れないのはちょっと残念です。
浅草のそら
諸行無常
仙台に住む叔母が亡くなったと姉から連絡が入った。
おまえどうする?と聞くから、「明日母を車に乗せて行ってくるわ」
と応えた。
叔母さんといつも言っていたが、正しくは祖母の妹にあたるのだから大叔母ということになる。
90歳をとうに越えているのだから大往生と言えば言えなくもないが、やはり寂しい。
青春時代は、熱烈な恋をして、恋人を追って阿武隈の山を越えて駆け落ちを企てた。
寸前に捕まえられ泣く泣く戻された武勇伝?をもつ血気盛んな女傑でもあった。
彼女を見ると竜馬の乙女姉さんとダブってしまう。
僕は幼年時代、あまりの虚弱体質に周りから心配されて、この家に預けられた一時期がある。
めっぽう男気の強い叔母ではあるが、同時にすこぶる情の深い人でもあった。
自分の子供と変わらず怒り愛し励ましてくれた。
田舎の水と空気と愛情に育まれて、数ヶ月の田舎暮らしではあったけれど、ものの見事に虚弱体質のキョの字も感じさせない悪がきになっていた。
母親が迎えに来たときそれが誰だか忘れるほど田舎に溶け込んでいた。
(単に薄情なだけかもしれないが)
もしそのまま田舎においておかれたならば間違いなく、別の人格の僕に成長していたことは間違いないだろうと思う。
そんな叔母も夫を先立たれてからは目の病気を患いついに失明し、30年来ひっそりと田舎家に暮らす身となっていた。
逝くことは、順番であるのだ(順番で逝ける事はある面、幸せなことでもあるのだけれど)、もうそこにいないのか・・・。諸行無常というけれど、なんだかとても不思議な思いに駆られる。