衣替え

夏は汗の干渉が嫌で水晶が定番。衣替えの季節になると木の感触が懐かしくなる。

ということで30年のお付き合いの沈香と椰子の平玉が再登場する。

近頃その両者ともが品薄という現状は特に香木好きのTONにはなんともはぁやるせない。

沈香の腕輪は洋服のポケットに入れ忘れ何度か洗濯してしまう不心得者だが沈香は耐えてくれた。おかげで真っ黒な木肌はしらっ茶けてしまっているけど変わらず匂いぷんぷんなのだから、沈香油ってすごいなと思う。

これで春までの間は何とかなりそうだ。

沈香ボ-ルペン

お寺訪問に忙しくしていたころのだ。

もうインクが使えなくなっていたけどどうしようかな。自腹で何本も買ってこれたんだからまだまだ沈香も白檀も材料が豊富にあった時代だったんだよね。

今じゃとてもじゃないけど作れないや。

これだけあればなぁ。。。沈香

TONがこの仕事を始めた頃は、線香屋の営業マンが香木の善し悪しを見てもらうとき決まってすることが、沈香の欠片を手に取って、おもむろに取り出したライターを着火してもったいなくも焦がしてくれたものだった。

今では信じられない光景が展開されたものだ。

ベトナムの最上級も紫油も緑油も含めた数種類から泥と呼ばれる低価格の沈香まで、寺営業廻りを主にしていた当時は見本は欠かせないツールでそれぞれ在庫も切らすことはまずなかった。その見本の生き残りだ。

今時の最上級と言われる沈香もかなわない当時は普及品。

今の時代夢のような沈香揃いだ。

天然ものと養殖もの。沈香というけれど・・・

知り合いから沈香をいただいた。

といっても養殖?・・・栽培もの。もらって半年間机の上にほっぽらかしている。

昨日久しぶりに手に取ってみた。

濃厚な香りではないながらもしっかり実用に耐えられる香りを芳香する。焚くとさらにいい。

この沈香が通常のものと違うのは、栽培して作られた沈香であるということだ。

香り成分のある部位の厚みが表皮あたりだけなのだろう。

まだこの薄さだ。

残念ながら玉にはできない。

10mm厚みの沈香が部材として可能になれば、市場に出るようになるだろう。

でも、でも、旧沈香はさらに高くなるかもね。天然物とか言って。