切り房の末路

念珠の房には、形状的な違いでおおまかに梵天房、松房、頭房(かしらふさ)がある。
松房や頭房に見られる糸の束が豪華さを装い、古くは装束念珠にのみ用いられてきた。

その糸の使い方に二通りの方法がある。

一つは撚房(よりぶさ)であり、今一つが切房(きりぶさ)である。

切房は、房先の糸を切って長さ調整する。
糸はその点しなやかな手触りを持つ。
反面、糸を切るためにどうしても切り口から撚った糸がほどけてしまう難点がある。


切った先からほどけているのがご理解いただけると思う。

ご参考まで以下に撚房をお載せさせていただいた。

こちらも十何年も使用した房である。
けれど糸先がループ上になっているため解けてしまう見苦しさは見られない。

切房のしなやかな手触りが良いか
多少硬さは残るけれど、丈夫な撚房が良いかは好みの問題と思う。