小田原のお寺に大掛かりな十三仏のお届けに出かけた。
遅れてはならじと少々用心が過ぎ、1時間以上も前に小田原入り。余裕が出てしまった。
どうしようかな。お昼を回る時間。
かといって食事をする気にもなれない。
いつも納品や訪問時のときは、食は抜いておじゃますることにしている。
小田原は市内から松田にいたるまで多少土地勘がある。
友人も多い。
そうだ。あそこに行こう。
と言うことで栢山(かやま)に足を向けた。
二宮尊徳の生家
自分の記憶にあるこの一帯の川面は、町中にありながらとにかく一跨ぎできるほどの小川も清き水が流れ、すくって飲めそうなほどの記憶があった。
生家も当時はぽつねんと田んぼの中にあって、ややもすれば見過ごしてしまいそうな風景だった。記念館の裏手に出るとやはり残念ながら水は濁って東京ほどではないにしろ口に入れたいとは思えなかった。