如意輪観音

仏像はやはり厨子に入れておかないと・・・

小型の厨子をもっと揃えないといけないな・・・

天台声明

こういう教本もあるのです。
聴くのは気持ちよいけれど、覚えるのは大変そうです・・・・

こんな時代も

お寺周りをしていた頃は、香に詳しい住職のためにこんな歯切れを用意したものだ。

念珠に使用する沈香はタニ沈香のわりと質のよいものを選ぶ。

念珠の玉を取った残りの残材をお土産にした。
今はもう手元に残っていないからどうしようもないけれど、ずいぶん贅沢な使い方をしたものだと思う。

香りを確かめるためにライターで沈香木を丸ごとあぶってみせたり・・・
室町時代の婆娑羅大名のような使い方をした時代もあったのだから今は昔だ。


今焚いてもしっかり根のあるいい香りだ。

とっておけばよかった・・・
なくなって解るのじゃ仕方ないけど・・・・

お香の材料

先日の講義でお伝えできなかった香材料の話し。
本当はここに関連したお話しがあったのですが・・・・残念。

今度はパワーポイントを使わないとだめだなぁ・・・・

つくづく思いました。
<基剤>
椨(タブ)  クスノキ科の常緑樹。南九州-四国、台湾、中国南部、インドシナ-インドネシア、インドに自生。無臭で、粘り。皮を使用。

   基剤+香料   お香も仏前線香も基本的には変わらないのだ。

<天然香料>
沈香  ジンチョウゲ科アキラリア属の常緑樹。直径1~4m、高さ30m位
(Aloes wood) 樹脂が集まって固化。
自然に倒れた朽ちた木の部分を取り出すものと、
人工的に傷つけ樹脂の集まるのを待って取り出す方法
海南島、インドシナ半島(ベトナム、カンボジア、ラオス、タイ、ミャンマー)
マレーシア、インドネシアに自生。香りがするまでに50年位かかる。
          
有名なのが正倉院「蘭奢待」(12kg、150cm)
          漢方薬として、鎮静効果。
      

伽羅  (奇南香)
ベトナムのダナン(激戦地)カンボジアの特定地域
    水の中に完全に沈む⇒沈水香

白檀  インドのマイソール州産
   (Sandalwood) サンタロールの含有量
    原産地はインドネシアのチモール島→インドに移植
    インドネシア-パプアニューギニア、トンガ、オーストラリア
    寄生木→周りの木に寄生して成長する。
    保香性が良い
    病気になった蛇が白檀の木に体を巻きついて治す。

スパイス(生薬)系
丁子  原産地はモルッカ諸島。 ザンジバル、南アフリカ に移植。
(Clove)フトモモ科常緑高木 丁子の木の花蕾(花のガク)を乾燥
         腹痛、吐き気、シャックリ止め。
         今治水に入っている。健胃剤、防腐剤、止痛薬。

肉桂(桂皮) 広東省、広西省、ベトナム産。
       クスノキ科の常緑高木の樹皮。 健胃、解熱、鎮痛薬。八つ橋。
     
大茴香 モクレン科の常緑樹の実
(Star anise) 香辛料として。胃の薬。

甘松  中国、インド産、オミナエシ科の根、茎。
香料⇒根 茎→胃薬、食欲増進。
単独では芳香とは言いがたい。ほかの香料と組み合わせると香りに厚みが増す。
         キリストの足を洗ったともいわれる。

漢方薬(中国南部に産する)
     山奈香 ショウガ科の植物の根。輪切りにする。 
         芳香と防虫効果。衣類の虫よけ。健胃剤、食欲増進

零陵香 サクラ草科モロコシ草を乾燥したもの。
         カレーのスパイスにも。

排草香 草木の根 清涼感がある。

唐木香 キク科植物の根
         
鬱金(ウコン)ショウガ科ウコン属多年生草木ウコンの根茎。
(Turmeric) 香料、染料、薬剤として。カレー粉の材料とも。

安息香 タイ、インドネシア
(Benzoin)エコノキ科 安息香樹の樹脂。甘い香りで呼吸器系に薬効。
     
龍脳  インドネシア原産(ボルネオ、スマトラ)
 龍脳木の内部に溜まる(上品)。 木片から蒸留して採る方法(普及品)。
 

藿香(かっこう)  
(Patchouli) 南アジア原産、シソ科の植物の葉。香りの基礎。
         甘い、重い、粉っぽさの甘み。保香性、持続性がよい。
        
ベチバー インド、ブラジル、インドネシア、ミャンマー、マレーシア、中国
         イネ科の植物の根。保香性よい。重甘い木の香り。沈香とよく合う。
         シャネル5番のベースノート。
蘇合香         
(Storax) 木の樹脂。甘い香り。気管支炎やしゃっくりの薬。

薫陸   インド、イラン産。クンロクコウ類の樹脂。土中に埋没した半化石状樹脂。
    
乳香   アラブ、エチオピア、インドの乳香樹の樹脂。
    
没薬   フウロソウ目カンラン科ミラルノキ属の木の樹脂。防腐剤。ミイラづくりに。

<動物性の香材>     他の香りの引き立て役。
  
麝香   四川省、雲南省、ネパール、チベット(トムキンムスクが最高)
(Musk)ジャコウジカの雄の香嚢(こうのう)から採る。雄が雌を呼び寄せる。
居場所のためのマーキング。雄鹿一頭から20gしかとれない。
強烈な香り、悪臭に近い。千分の一以上に薄めると濃艶な香りになる。
フランスの香水にも入る。強心剤。六神丸や宇津救命丸。野生動物保護で輸入に制限。生きて採取する方法も研究。
保香性がよい。12世紀のイスラム教寺院の壁に麝香を塗り込んだところ、今でも太陽に当たるとほんのりと香る。

龍涎香  抹香鯨の胃から採る香料。大変甘い香り。
(Ambergris)司馬遼太郎「香港はアヘンによって取られた」「龍涎香のありかを知りたくてマカオをポルトガルに譲った」信憑性は????だが。香りへの貪欲さを表すことば。
    
貝甲香  ザンジバル、フィリピン、南米巻貝のフタ。保香剤として。

霊猫香  エチオピア産 ジャコウ猫
  (Civet)
海狸香  ビーバー
(Castreum)
    
牛黄   牛の胆嚢や輪胆管内の結石。解熱、鎮静、強心作用。 

一角   イッカクの角。解熱、解毒作用

香油       ローズ、ラベンダー、ジャスミン など
         蒸留法
         短所:高価
                     lx:バラ 3t→1kg
                       花1400個→1g 
<合成香料>     
長所:安い。
短所:火をつけると香りに変化。天然香料はもともとが、火をつけてこその用い方。 

「仏前に使うのがお線香で安いもの。お香は部屋だきだから高級品」のイメージが巷にはあるようですが、これは全くの誤解ということがお解りいただけるでしょうか。

またこういう貴重な材料を使用して製作していることと、そして、質も香りも刻々変化する天然材料を使用していかに安定した香りに仕立てていくかは調香師たちの水面下での努力がいかばかりかということを知ってもらいたいものです。

          

芸は身を助く

と言えるようなことではないのですが・・・

念珠の製作に必要な正絹紐が届くと束の状態から糸巻き、つまり「いとまきまき、いとまきまき♪」をしておく。

作業場所が広ければ駒に器械で巻いてしまうのだが、うちみたいに、店内ですぐに直さなければいけないとなると、40色を有に超える糸を置いておく場所がとれない。
だからこうして平たくしかも丁寧に巻いておかないと、いざお客様が「直して」と凝られた時に臨戦態勢で望めない。

ゆえに、きっちり巻く。
大変なように周りからは見られるのだが、何のこともない。

だって子供の頃は、母親の手伝いで毛糸を玉にする手伝いなんて日常茶飯事だったし、
弓道部だった学生時代は、矢を納めておく矢筒が買えない貧乏学生ゆえに何でも自作だった。糸まきまきして約1mの筒を作っていたのだから。

そんなことが糸を巻いていると、いつも思い出されておかしくなるのだ。

ご褒美

昨日はある旅行会社から依頼されてお香の講演に出かけた。

しばらくこういう機会から遠ざかっていたこともあるけども、準備不足と時間配分の不備で予定していたことの半分も伝えられなかった。
依頼者側はお客様へのケアーの一環で行なうくらいの気持ちで軽く考えていたのだろうが、依頼された側としては、僕の性格もあるけれど・・・・完璧を考える。

どう完璧かといえば、お香の魅力を堪能してもらいたいし、間違って伝わっている常識を書き換えてもらいたいという思いも強いのだった。
例えば、お線香とお香の違い。お線香は安いものでお香は高級なもの。臭いと香りの違い。など、できれば供養の話しもしたかったのだ。し、それなりの資料も準備してきたつもり。

教室では香は焚けないから始まって(これはすんでで解決したが)全てひっくるめて一時間半の持ち時間は退出準備時間も含めてだったこと。そのあとは次の講義が待っていてぐずぐずしていられない・・・など寝耳に水の話しで、慌てた慌てた。

何だか受講者に申し訳ないのと充分言いたいことが言えなかったことで久々に落ち込んだ。
やっぱり香りを勉強するのなら、自分で験せる環境でないと・・・

で、今、自分にご褒美。
新伽羅だけどね・・・・