記憶と現実

被災地のことが日増しにメディアのソースから消えている。
3.11が近づくとその特集を争って露出するのに・・・
記憶の彼方に押しやろうとする。

当事者は今この時が現実の問題なのに。

女川のお寺さんから相談を持ちかけられて、話をする機会を得た。

離島にあるその寺もそして檀家の多くも復旧どころの話ではないという。

以前から離島の復旧速度が遅いことは耳にしていたし、この目で見てきた。

けれど、当事者の口から丸2年を経た今にあってもその言葉が出る。

仕事がない。つまりは生活の術が見つからないということなのだ。

補償をもらうことはできてもやはり労働による対価によって生きていくことは当然の権利でもあるわけで、その道がないことはやるせないことなのだ。
そこで住職が考えたことは檀家の中には手先の器用な方もいらっしゃることに着目して袋物をこさえることを考えついたのだ。

トートバックや信玄袋を大きな袋に詰めてやってこられた住職。
そんなところから、このプロジェクトが始まった。
僕ができること。

それが今はこの答えとなった。