親心と十三仏

朝「十三仏様の掛け軸はありませんか」とお客様に聞かれた。

なん幅かお見せしようとした。
「うちは真言宗なので・・・」

開いてみると、禅宗と浄土宗用の十三仏だった。真言宗用ではない。

ちょっとお時間いただけますか?とお話するのをきっかけに御子息を最近亡くしたことをお伺いすることとなった。

何にもわからないから・・・と繰り返しながらもおっしゃるお客様の言葉であったけど、「息子のために何かをしてあげたい」と思う親心が染み出してひしひし伝わってくる。

ぐっと涙を飲み込んでお話させて頂いた。

「十三仏の霊場を巡って御朱印を頂くのもいいことですよ」
なにかの拍子についこぼれた言葉だった。

お客様に響いた。ようだった。

「霊場巡りはあちこち歩いていたのです」とポロリ。

聞けば、観音霊場は御朱印帳が真っ赤になるほど巡られたというではないか。しかも全行程を歩いて。
でも十三仏霊場はないとのこと。

「ならば、出来上がったものをお供えするより、ご自分の足で巡られたお軸をかけられたらいかがですか・・・」

ということで、十三仏霊場のまくりをお買い求めいただくこととなった。
鎌倉なら一日でも巡れる。ゆっくり歩いても2日あれば御の字だから。

息子さんへの思いをどうぞ噛み締めながら御夫婦で歩いてください。
と思いながらお見送りさせていただいた。

鎌倉十三仏霊場

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