ブレンドという考え方。
お香(仏前線香でも)を使うとき皆さんはどうしていますか?
買ってきたお線香をそのまま火を点けて、メーカーが創った香りのまま使っていませんか。
TONは違います。
必ず、性格の異なる違う香りをブレンドします。
お料理だって、砂糖だけで甘味は出しませんよね。
ほんのわずかな塩を入れることで甘さが変化します。
塩だって、NaClだけの、つまり昔の専売公社が販売していた塩化ナトリウムより、伯方の塩だの沖縄のヌチマースだのと、ごくわずかながらのマンガンやカリウムやマグネシウムの不純物が混成一体となっている塩の方が美味しいと思うじゃあ~りませんか。
香りも同じです。メインの香りを引き立たせるために、様々な脇役が調合されています。
白檀のお香。といっても白檀材だけを粉にして線香状にしても芳醇な奥行きのある香りにはなかなかなりません。
そこにわずかの副食材が入ることで白檀の香りを浮き立たせてくれます。
香りはまさしくハーモニーなのです。
念珠堂では香りのテイストを30年前から行ってきました。
香りに不慣れなお客様には必ず上香(火を点けない状態での香り)を聞いていただくだけではなく線香に火をつけて、お鼻の近くに、そして遠くにと生活シーンを考えて聞いてもらってきました。だから全ての商品は箱から出してテイストできる状態にしています。
そんなテイストしたお線香、お香は・・・とくに伽羅や沈香なんてもったいなくて途中で消すことなくTONら店にいるものの香りの余録となりました。
そこに次のお客様が、今度はすみれの香り・・・ユリの香り・・・桜・・・白檀・・・と相次いでテイストしていけば、伽羅の香りは混じり合い何が何だかわからなくなっていくのです。
が、そこはプロというものです。ただでは転ばないよ。。。
香りがブレンドされるということに、はたと気づくのでありました。。。
僕の基本は天然香料のお線香やお香を必ずメインにしています。
白檀+フローラルもしくは沈香+白檀+フローラルというように性格の異なる香りをブレンドして自分の香りを見つけること。
香りの楽しみです。
香り作りを調香師だけの楽しみにしては・・・なんともったいないことでしょう。