「こんにちは」
と、老齢なる青年がお店に来られた。
聞くとお年は81歳なのだとか。
「ありがとうね。たいへん参考になったよ」
ん?まだ事情が呑み込めないTONは恐る恐る言葉を投げかけながらも、記憶を紐解いてみることにした。
「霊場周りね・・・」「Tさんの・・・」
で、ようやく理解。
ずっと以前、お客様の一人Tさんに霊場周りの発願があって、TONは便乗させていただいたというわけで、二人三脚の旅日記をかかせてもらった。
これが集大成になるわけで、今でも参考にして下さる方が切れない。
でも名乗り出てきてくださったのは久しぶりだった。
「いろいろ大変なこともあったけどね」と、本当はお寺への不満もお有りだったのだろうことは言葉のはしばしに捕らえることができるのだが、巡るものの信仰心がすべてを前向きのエネルギーに転化して捉えていらっしゃるようだった。
TONだったらそうはいかないな。悪いものは悪いと門前でも一言行ってくるだろう・・・
奥様が「私巡る!」と一念発起されたその声に応えて御夫婦で巡る。
コース取りから予算のことまでご主人が下調べをする。
シルバーパスが使える範囲だから御府内八十八ヶ所がやりやすいと。
とはいえ八十歳を越えて楽ではないはず。
そんなときに傍らにあったのが巡礼記だった。
いやいや・・・ありがたいことだと手を合わせるのはTONのほうだとの思い。
肝心の自分の巡りはいつになることやら。
あ・・・・と!
秩父霊場は、残り半分残したままだった。
30年ぶりにレストアした自転車でまわっていながら、まだ結願していないから、結願後にレポート書こう・・・と思いつつ・・・5年経っちゃっていたこと、思い出した。。。