朔日は早朝の浅草寺境内掃除から始まる。
今朝は参加者が少なかったこともあって早々に終了。ただ、その合間にも観察は怠らない。ふと見上げると子供たちが小さい頃から遊び場にしていたイチョウの大木が青々とした両手を広げていて昇る太陽の光がシースルーの暖かさを目に訴えかけていた。「乳垂れイチョウ」とも「子授けイチョウ」とも呼ばれるお乳のようなコブがこの大樹の古さを物語っている。
実に立派な木だ。
が、反対側に回ってみると・・・・
いささか姿かたちはマイルドになった感はあるが木の内側部は黒く焦げたままとなっている。以前はこの祠の中に子供たちも自由に二人三人とかくれんぼをして手を真っ黒にしていた。
昭和二十年三月十日の大空襲で焼けた。当時の写真も見たことがあるが、もう死んでしまったのだろうかと思うほど焼け焦げていた。神社仏閣ににはイチョウの木が多いのは、火災からの延焼を防ぐのが目的と聞いたことがあるが、まさにそのようだった。残念なことに関東大震災でも免れた国宝の本堂も五重塔も焼け落ちてしまったのだが・・・・
生き証人のイチョウの大樹はこうして青々と茂り未来に言わざる言を伝えていくのだろう。