今日は勤労感謝の日。世の中はお休み。当店は営業中。勤労に感謝しながらね働くの。
昭和一桁の母は、勤労感謝の日と言う言葉を、TONが子供のころから口にしたことがない。
だから僕の記憶には「新嘗祭」の名が刷り込まれている。
天長節、神嘗祭・・・戦前生まれの人間に育てられたものは現代用語への置き換えに苦しむこととなる。
けれど、その言葉の意味を調べれば、自分が日本人だというアイデンティティーに関わるほどの含蓄のある言葉だったのだと知らされる。
戦前の日本人と戦後生まれとは文化のハンモックがまるで違っていたことに気づかされる。
新嘗祭とは、旧法に
「天皇が新穀を天神地祇に勧めて神を祀り、身ずからも食す」とある。
その年に収穫された新穀を皇祖の天照大御神を祀る伊勢の皇大神宮に天皇陛下が奉り神恩に感謝される大祭は神嘗祭であるが、新嘗祭では高祖、八百万の神々に奉る。
西洋的に平たく言えば収穫祭ということになるのだろうか。五穀豊穣は人が生きて行く上で最も喜ばしいことである。それを感謝する。何とわかりやすく美しい慣習ではないか。と思う。
米の生産も消費も落ち込んでいる昨今(そのくせ食料自給率は落ち込む一方とか)、五穀豊饒にに対する感謝の思いを端的に表す文化の希薄、消失が米消費の減退につながっているのではないのかとおぼろげながら思うTONなのでありました。