昨日は久しぶりに20代から趣味にしているツーリング車(自転車)の職人がより集う展示会に足を運んだ。

時間の余裕など全くない中でのこと、とんぼ返りはいつものことながら、マスプロメーカー品や、新素材品に溢れている昨今の風潮に一石を投じているハンドメイドの工房の集まりというので、矢も楯もたまらず出かけた。アイデアがあふれているし作り手の姿勢に教えられることが大きく、魅了される。念珠職人の技に対して襟を正される部分もあって面白かった。

そんな午前中を足早に終えて店に戻ると、前職からお付き合いさせていただいている、といっても自転車趣味仲間でもあるS氏が間髪入れず訪ねてくれた。

彼とは30数年前に横浜の鶴ヶ峰にある彼の自宅に前職の営業で伺いお客様となっていただいた。それからの付き合いなので、それだけでも結構長きに渡る。

めっきり初老の雰囲気を醸すようにはなってはいるが、多趣味は相変わらずみたいだ。 大学時代にはフレームも自作してすっかりその魅力に取りつかれ未だに深い造詣がある彼なのだが、身内を国鉄の事故で青年期に亡くしたこともあって、信仰深くもあり、お寺談義にも事欠くことはない。自転車、鉄道、お寺、終活談義を終え立ち上がろうとした時に

彼から「もう何十年になるかね?」

付き合い始めての年数を確かめようとしたのだ。

話題を誘うので、前々から気づいていたことを口にした。横浜の自転車屋に行っていた時からの付き合いだよと言ってあげた。

昔、横浜では名の通った趣味人の主人(故人)の経営していた自転車屋があった。主人の鬼籍入によって今は店は閉じてしまったが、彼はそこのアルバイト。TONはその店が主催するクラブの一員ということで、実は接点があったのだ。かれは全く覚えていないしTONもいくつかのキーワードが合わさるまで全く気付かなかった。指折り数えると50年の長きに渡る。

そ。半世紀のお付き合いということになる。案外こんなものなのかも知れない。

気づいていないだけで。

不思議なものだ・・・・