代理遍路

令和の改元となり平成と新元号のどちらをも記帳していただくことで御朱印を頂くことの話題があちらこちらで沸騰していた。

中には不届きものが混じっていてお参りした証の御朱印を商品の如くに扱い、仕入れに来たかのように神社仏閣に請求する輩がいるらしい。

ここ浅草においても神社が三社祭りの御朱印を中止する事態にまで発展した。これもブームとしての御朱印集めに対する負の文化と言えるのだろうか。

だが、ここらが、潮目の変化にならないだろうか。

TONはコレクターである。人一倍のコレクター精神が旺盛だ。が、卒業した。卒業してみると本当にサバサバする。清流が心の中を洗い流してくれるそんな感覚がある。

だからコレクターの気持ちもわかる。ただ、現代はコレクションの枠をはみ出して、いや。そもそもコレクションしないのである。横流しするのである。利益を乗っけて。

だから神社仏閣に御朱印をいただきに上がるのも、お参りが種目的ではなく仕入れに行くのである。商売だ。

そろそろ変化しないかな。。。

代理遍路。

お遍路を歩けない方のために知人や友人、長じてビジネスへとなってきて、聞くと、なかなかの代価を伴うと聞く。

今日来店されたお客様が高野山の場合どこに行けば御朱印を頂けるのかと店の子に尋ね答えに窮してTONにお鉢が回ってきた。

同世代くらいのご婦人。ちょっと上かな。

「何にもわからないんですよね」

そう言われて四国を結願されたなら、それくらいの情報は入手されておられるだろうに・・・とちょっと?に思った。

「亡き主人のやり残しなのです」

聞くと、ご主人が中心となってお遍路をされていたようだった。自分は付いて行くことはあっても軸はあくまでご主人。バスのツアー遍路までは奥様もともに行かれたが、途中からは、70歳を過ぎたご主人一人の歩き遍路。

旅の情報も、お遍路のしきたりも、ご主人が培っていったということだった。

70番を過ぎた頃、一度自宅に戻られ、十数ヶ寺を残し鬼籍にはいられてしまった。

「跡をついで家族で廻ったんです」

天国のご主人はどんな思いでいらしゃるだろう。

「奥の院に行かれたらお太師様に報告してくださいね」ご主人が「ありがとう」と答えてくださるだろうことを祈っています。。。

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