朝はジョギングから始まる。
布団の中で背伸びをし、固まった関節を弛ませて準備をする。
僕のホームコースである墨田川沿いには、ブルーテントが山と建っている。
ブルーテントの住人とは猫を介在して時々話がはずむ。
夜になると、町の辻辻、シャッター前には、今宵の夜露を避けてダンボールが集まる。
今だ数度しか話はしないが、様々事情を抱えてこの生活に入った。
ダンボールやブルーテントならまだましな方で、着の身着のままで横たわる連中も少なくない。
目を背けたくなるほどの薄汚れた連中もいるけど、それなりにこざっぱりしているのもいる。
今の姿だけを見ていると、何故?こんな生活にって思っていまいそうになるのだけれど、でも、過去には無条件で愛された時期はあるんだよ。
彼ら彼女らを見ていると、彼ら彼女らの親に想いを馳せる自分に気づく。
彼ら彼女らが、シューッと赤ん坊に戻って母親の腕に抱かれている姿がダブって見える。
彼らとて親に抱かれ育った時期はあったんだろうにと。