ほたる

思いのほか水面は光には満たされていなかった。

次々に流れてくる青い火の玉は、幻想的空間に魅せようと努力してくれるのだが、川べりは日常のネオンと道路照明に日常に引き戻され幻想なる空気はかき消される。

いっそイベントの時間くらいは震災あとの節電程度でもいい、町の照度を落とし、地(川)上の天の川に心を奪われるほどの空間を演出してくれないものかと思った。

10万個のLEDを回収しているスタッフのご苦労は並大抵ではなさそうだった。

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