毎年、黄色い提灯が通りに下がるようになると
どんなに暑い日々の毎日でも、
もう「夏の終わり」を感じさせられる。
どこからともなく秋の空気が流れてくる。
「パブロフの犬」と化す。
浅草歳時記。TONちゃん的目線で見た歳時記
毎年、黄色い提灯が通りに下がるようになると
どんなに暑い日々の毎日でも、
もう「夏の終わり」を感じさせられる。
どこからともなく秋の空気が流れてくる。
「パブロフの犬」と化す。
雷門の空は青かった。
8月を目の前にすると
敗戦記念日と、供養会が頭に浮かぶ。
3月8日の大空襲でここ浅草は、火の海と化した。
この隅田川が、人の屍で埋まったという。
思いたくもない光景だが、事実は事実なのだ。
いまでこそ、ウォーターフロントとして人々が行き交い
家族連れや若い人たちの笑い声が絶えない
観光スポットのひとつだ。
季節になれば屋形船を浮かばせ、桜花を愛でる川面がそうであったという。
たった60年前に、目もそむける阿鼻地獄が、
おんなじこの場所で、展開されたのだ。
浅草から文芸作品によく使われる吾妻橋の上流側の歩道を渡りきり、
ふと左に目を転じれば、そこに小さいお地蔵さんが立っている。
いつも花と線香が絶えない場所だ。
空襲時に川で亡くなった、子供たちの霊を供養するために
建てられた供養碑である。
見上げれば、観光スポットのひとつアサヒビール本社の
巨大オブジェが、異様に大きな魂にすら感じてしまうのである。
8月15日浅草寺の主催で
万霊灯籠供養会(ばんれいとうろうくようえ)が催行される。
心して、のぞみたいと思っている。
7月に入っても、
あまり実感の伴わないお盆月。
僕がこの仕事を始めた頃は、6月になれば、
どことなく、ざわざわしてきて、
お盆の到来を肌で感じたものだった。
だから、何の迷いもなく、それまでの
「ここ何屋さん?」と聞かれる不思議なお店、ワンダーショップから
誰が見ても迷うこともない、
「供養のお店」に大変身するのだった。
もっとも、当時は、仏壇が店の半分を占めていたから
自分が思うほど、ワンダーショップでもなかったかもしれない。
ところが、今は、
お盆の当月となっても、
ご供養の話がささやかれるのは、
3、4日前から
具体的には、ほおづき市がたってからなのだ。
「ほおづきは人の魂を現す」なんて考えて
買い求める方が、どれほどいらっしゃるか、わからないけれど
ほおづき市=四万六千日(本来は、ご縁日に市がたったが正解で
「=」ではないのだが)を境に、
浅草は、お盆ムード満タンになる。
昨日、横浜から寄ってくださったS氏の情報から
二天門近くの産業会館に、大阪の自転車パーツ業者の
展示即売会があることを耳にしたばかりに、
いてもたってもおられず、店の混まない時間に、
ちょこっと、
ほんのちょっとだけ、顔を出してみた。
30年も前の愛車を、レストア中のため、自転車パーツと聞けば、
何でも欲しい状態ではあるのだが、
「市価よりぐんと安いよ」などぞと聞けば、
どんな諸兄でも、気が動くのではなかろうか。
ここは、わが仏壇業界もよく使う会場だけに
眼をつむっても行けるほど、慣れ親しんだ会場。
比較的広いフロアーを、1社で使うほどパーツが出ているの?
と掘り出し物なかなり期待をこめ、
しかし、「ちょこっと」だけ足を伸ばした。
日曜日は人が多いとしても、やけに多い人並みを縫って
会場まで走っていく。
できればホイールなど大きいものを考えていたが、
見ると、ラジアル組みや、8段や9段のフリー付きだの
見たこともないパーツの山、
30年近くレースの世界から遠ざかっている間に
全く違ったものに進化してしまった自転車たち。
まるで無機質な機械部品。
(元来無機質で正解なのだが、昔の部品は、人間味があったのだ)
未来的といえば未来的なのかも知れないが、
ちょっと幻滅を覚える。
ちょこっと見て帰るつもりが、むしろ、
恐れをなして…というより辟易して、
逃げ帰る格好で会場を後にした。
帰るついでに浅草寺に顔を出す。
しかし、
動けない。
境内に入ろうとしたとたん、固まった。
ほおずき市だ。
そう。
今日は、「4万6千日」だったのだ。
すっかり忘れていた。
月初めには、予定していたのに…
すっかり、記憶装置から抜け落ちていた。
どうりで人が多いわけだよ…
示現会と4万6千日
好きな縁日だったのに、すっかり記憶になかった。
さあどうなることやら・・・
どうする西海。
境内は、人、人、人であふれかえっていた。
近くのコンビニにお昼を買いに行く。
いつものように全速力で、慌てふためきながら
その入り口の重いドアを押し開き
目的の棚に向かおうとする。
そこに行き着くには、
若者がいつも立ち読みしている、狭い通路のコーナーを
ぶつからないようにと、気遣いながら
すり抜けなければならない。
右側の雑誌コーナーの賑やかさと対象に
左の壁は無味乾燥な、白壁が続いている。
続いている、とは、先週までの話だった。
あれ?何か違う。
懐かしい顔が並んでいる。
百恵ちゃん。ひばりちゃん。裕次郎…
あ!ブロマイドね。
浅草と言えば、マルベル堂のブロマイドは
ある年齢以上の方には、常識の世界。
定説。想定内の話である。
子供の頃ひばりの写真が欲しくてしかたなかったっけ。
それが、コンビニに。ある。
コンビニステーションである。
疲れた~~~
だからスポーツは、
見るものじゃなく、やるもんだっていうの…
人間やたらと、集中できるものじゃない。
40分も50分も黙って見ていられるかって。
運動しながら勝った負けたは、まだ爽快感があるけれど…
もう、たまらない。
騒ぎっぱなしとなった。
早々に人足の絶えた静かな浅草の町の
そこかしこから
「どよめき」「ため息」がどっとあふれ出していた。
隅田川に沿って両岸に公園が続く。
ここは好きな場所のひとつ
春は、桜の名所。
墨田区側は、桜餅で有名な長命寺や観光名所も手伝って
墨堤通りの桜並木は、雰囲気がある。
こちら側(台東区側)も浅草の住人としては、やっぱり、ひいき目に見てしまう。
桜の季節も良いけれど、青葉の季節や枯葉の季節も
緑道公園は、プロムナードとして、おすすめできる。
公園管理のおじさんたちも
なかなかしゃれたことを考えるようで
最近は、花の種類が増えてきた。
ホー!!
きれいっしょ。
額紫陽花(がくあじさい)が、ほんとは好きなんだよね。
と思ったら・・・
ホー!なかなか。
また散歩の頻度が増えそう。
人は浅草のすごさをどこで感じるかなあ
Booさんは、祭りのあとにいつも感じるのです。
三社に限らず、浅草は毎月がお祭りのような町。
これからもほおずき市、花火大会、サンバ・・・
町が活気を帯びる。
催しが目白押しにある。
ということは・・・
町がごみの山になるということなんだ。
残念ながら。
本当に!
コノヤロと思うくらい、平気でポイポイごみを捨てるんだよ。
祭りだからってそりゃないだろう・・・
お店の前なんて、タバコの吸殻や飲みかけのペットボトル
時にはオムツまで・・・
すんごいよ。すごい景色になっている・・・
Booはココに住んでいるんだからね。
(せっせ、せっせと自分でも夜中掃除をするけれど)
朝になると・・町全体が
何にもなかったかのように、ごく普通の姿に戻っている。
「何かあったの?」と言わんばかりに・・・
その落差がおもしろい。
気は残るんだよね・・・
「ひとけ」というのか、熱気というのか・・・
「慙愧に耐えない」なんて言葉があるけれど
「残気」と言うことなんだ・・・
だから、その余韻を感じながら、早朝、歩くのが楽しい。
あきない町だよ。ホント!