通し糸を替えるだけで表情がこれだけ違ってくる。

本連の振分けを作らせてもらったが、間違えて白糸を通してしまったのでいい機会なのでちょっとその差を検証してみたくなった。

もともと朱赤の房をつけることで能動的な強さが表現されているが、水晶の下がり部分と主玉部分はどうしても別物を感じさせてしまう。

しかし、主玉部分の通し糸に観音さまを表す宗赤の共色を通すことで、全t字が一体化を出し、全体に力強さを醸し出してくれた。

このシリーズは、水晶の主玉を使用して、色を替えずいぶん作らせていただいたが、朱色は初めて。お寺の装束としては頻繁に使う色あいなのだが、あくまで尺八や尺六。

尺や尺二といった短い本連には使用したことがなかった。でもこうして仕立ててみると、ベストマッチすることを改めて感じさせられた次第だ。

念珠は奥が深いぞ。。。。

これが、こうなる

緑檀の独山石仕立ての片手念珠。もう使う予定がないということで改装をご依頼。

親玉がボサ付きの三つ穴玉なので、親玉は取替えさせていただく。

16mmの二つ穴の親玉となると大玉(18玉片手)以上に使用する主玉になるのでなかなか良いのが見つからない。が、玉屋さんセットものを崩してくれたのかな。手に入れ早速仕立て直し。

寸法もちょうどよし。

穴が大きいのでゴムも通常の倍通さないとならない。案外お金が掛かります。

 完成しました。

無患子完成

先月中に仮通ししておいた無患子の完成。

綿毛を取っておいてくださっていたので制作は実に楽。

腕輪の15本はすぐに完成させた。

一見しただけじゃハリか水晶かはわからないよね。

左二つがハリ仕立て。右三つが水晶仕立て。

あとはお渡しするのみと最後のチェックしていたらナナナント!ハリ親にほんのちょっとの欠けが見つかった。あれーーー!もう仕立て直しいかないじゃん。渡せなくなっちゃった。渡す前でよかった~~。

骸骨彫りだけど、、、象牙?

まるで象牙。

けれどこれは、鹿の角でした。

最近の丸っこい、見ただけで吹き出してしまいそうな骸骨ばかりを見ているせいか、リアルな彫り様に、京都にいた骸骨彫り専門の職員を思い出した。

だいぶ研究したと見えて細部にリアル感が醸し出されている。

京都の職人が廃業してしまってからは、骸骨彫りは入荷してこなかったのだけれどこれくらい彫れるようだったらと今回は入荷させていただいた。試しの一本。

ただし、馬の骨で作った念珠を一緒に付けることは叶わないだろう。。。。。

馬 + 鹿 だもんね。注意しなければいけない。

ただし馬の骨の念珠があればの話だが。。。

ヤクの骨のはあるけれどヤクは牛の親戚なり。

細いよ~~~~(;ω;)

一見すると立派な本連。

房の付け方を見ると多分近隣国のお土産品と分かる。

玉はそれなりに磨かれている。

が、穴が細い。なんで?と思うほど。1mm。

通常は小さくても1.2mmから1.5mmある。

1mm穴とはネックレスに使う玉ということならば納得できるが・・・。

108玉を通してみれば、使う前から正絹紐はザラザラに痛む。

形は立派な念珠になるがやはり念珠用の玉として作られた材料は見えないところに、手間とお金をかけている。

むくろじ

この季節になると時々作らせていただく。

素材は、その木のありかさえ知ればいくらでも手に入る。

ただ、念珠の珠として使えるようにするまでがえらい苦労させられるのだ。珠についている白い綿帽子のような保護膜がなかなか剥きとりづらいのだ。気の短い人なら、そこですでに投げやっちゃう。これから穴を開けて玉の粒度調整をして職人の手で仕立てるという所に至る。 念珠とはよく言ったものだ。これこそ念珠の名前にふさわしい。

僕はバケツいっぱいに取れるのをあえて取りに行かない理由だ。

経典にも出ている有難い念珠材料であることには間違いないんだけど。。。。

ちょっとおしゃれに。

まだ途中経過なのだが、ちょっとおしゃれに装っている。

もちろんお客様のご要望にお応えしての試行錯誤中のものなのだが、中糸としてウーリー糸と銀糸をダブル通ししてみた。

写真ではちょっと控えめなのだが白水晶なのでキラリと光るのが見える。

銀糸自体は強い糸ではないので同時に入れるのはちょっとコツが必要。汗をかきながらようやく終了。

房を合わせるとなかなかいいなぁ。。。

改装 腕輪から片手念珠に

鎌倉十三仏である。

鎌倉十三仏というと思い出がある。洗足のお得意様のご依頼で十三仏霊場のご朱印用掛け軸を探して欲しいというご依頼で三十年近く前にお取り寄せをしてたいそう喜ばれた。

それが十三仏の朱印軸との出会いで、続けざまにTONTONお求めいただくお客様が増え念珠道ではブームになった。なんのことはない、顔の広い洗足のお客様のお供大ばかりと後でわかった。そんなに出るならもっと在庫しようかと発注する一歩手前で押しとどめたからよかった。危うく十三仏だらけになるところだった。

さて、その十三仏の霊場でご縁仏の念珠玉を配っているのを知ることができた。

腕輪なので、あっさりしたものだ。ここから片手に作り変えたいとのご所望である。

輪っかの大きさは十二分なので房をつければOK。けど親玉、ボサ玉がない。

親玉を足す必要があるので、老山白檀を使用することにした。

糸魚川翡翠の腕輪

翡翠好きのTONとしてはそばに置いておきたい翡翠のひとつ。全面的な採掘が禁止されているので流通するにしても細々ということになるから、いいなと思ったらその時に入荷しないともうあとがないとなってしまう。

だから売れる売れないは別なのだ。でもねうちの財務相はなかなか認めてくれないから細々とならざるを得ないのだ。

でも、糸魚川らしい糸魚川翡翠だよね。