むくろじ

この季節になると時々作らせていただく。

素材は、その木のありかさえ知ればいくらでも手に入る。

ただ、念珠の珠として使えるようにするまでがえらい苦労させられるのだ。珠についている白い綿帽子のような保護膜がなかなか剥きとりづらいのだ。気の短い人なら、そこですでに投げやっちゃう。これから穴を開けて玉の粒度調整をして職人の手で仕立てるという所に至る。 念珠とはよく言ったものだ。これこそ念珠の名前にふさわしい。

僕はバケツいっぱいに取れるのをあえて取りに行かない理由だ。

経典にも出ている有難い念珠材料であることには間違いないんだけど。。。。

ちょっとおしゃれに。

まだ途中経過なのだが、ちょっとおしゃれに装っている。

もちろんお客様のご要望にお応えしての試行錯誤中のものなのだが、中糸としてウーリー糸と銀糸をダブル通ししてみた。

写真ではちょっと控えめなのだが白水晶なのでキラリと光るのが見える。

銀糸自体は強い糸ではないので同時に入れるのはちょっとコツが必要。汗をかきながらようやく終了。

房を合わせるとなかなかいいなぁ。。。

改装 腕輪から片手念珠に

鎌倉十三仏である。

鎌倉十三仏というと思い出がある。洗足のお得意様のご依頼で十三仏霊場のご朱印用掛け軸を探して欲しいというご依頼で三十年近く前にお取り寄せをしてたいそう喜ばれた。

それが十三仏の朱印軸との出会いで、続けざまにTONTONお求めいただくお客様が増え念珠道ではブームになった。なんのことはない、顔の広い洗足のお客様のお供大ばかりと後でわかった。そんなに出るならもっと在庫しようかと発注する一歩手前で押しとどめたからよかった。危うく十三仏だらけになるところだった。

さて、その十三仏の霊場でご縁仏の念珠玉を配っているのを知ることができた。

腕輪なので、あっさりしたものだ。ここから片手に作り変えたいとのご所望である。

輪っかの大きさは十二分なので房をつければOK。けど親玉、ボサ玉がない。

親玉を足す必要があるので、老山白檀を使用することにした。

糸魚川翡翠の腕輪

翡翠好きのTONとしてはそばに置いておきたい翡翠のひとつ。全面的な採掘が禁止されているので流通するにしても細々ということになるから、いいなと思ったらその時に入荷しないともうあとがないとなってしまう。

だから売れる売れないは別なのだ。でもねうちの財務相はなかなか認めてくれないから細々とならざるを得ないのだ。

でも、糸魚川らしい糸魚川翡翠だよね。

土埋木屋久杉の腕輪

黒い土埋木ではないが、芳香は生半可ではない。屋久杉の芳醇な清々しい甘さが何とも言えない。土埋木の良さだろう。油がしっかり乗っかっている。

試作なのだ

親玉、二天は本翡翠

主玉にインカローズ、赤メノウ、上紅水晶 水晶切子

以上の組み合わせは、女性には持っていただきたい素材で作りました。

トラ琥珀大玉腕輪

久しぶりに虎琥珀の大玉が手に入ったので腕輪に仕立て。

主玉が16mmだから大きいよね。

天台型の薄い玉のものもあるにはあるのですが、汗の影響を考えると使われる方のメンテナンス次第で割れや欠けが生じるのではと出しそびれてしまった過去がありますため、こういう丸玉はそういう心配がなくて、ちょっと安心。

でも使い終わったら乾拭きは必修ですけどね。